楊家將演義第三十五回 孟良が白驥馬を盗み返し、宗保が穆桂英と佳遇する (孟良盜回白驥馬 宗保佳遇穆桂英)
孟良の密命
孟良は鐘道士の指示を受け、必要な龍髭のほか、御苑にある白驥馬を盗み出すこと、また青龍陣の水源である九眼琉璃井の一眼を砂で塞ぎ陣を破りやすくすることも命じられる。焦贊が同行を強く望み、孟良はやむなく連れて幽州へ入る。
四郎の計略と龍髪の入手
孟良は番人に変装して四郎(木易)を訪ね、事情を伝える。四郎は一計を案じ、腹痛を装って龍鬚(龍の髭)が必要と偽り、公主(瓊娥)を通じて蕭后から髪を取り寄せさせることに成功。余った髪を密かに孟良に渡し、孟良は焦贊に託して先に本営へ送らせる。
白驥馬の窃取と井戸への細工
孟良は御苑の琉璃井に細工を施した後、番人を欺いて敕命と偽り白驥馬を持ち出し、夜陰に紛れて幽州を脱出、宋軍に帰還する。
六使の快癒
鐘道士は龍髪と龍鬚を用いて六使を治療し、一服で快癒させる。真宗は喜び道士に官職や褒賞を勧めるが、道士は固辞し、ただ陣を破ることのみを望む。真宗は道士を輔国扶運正軍師に任じ、以後の軍の調遣を一任する。
楊宗保の入門と助勢の招集
鐘道士は六使の礼を受け、宗保を弟子として迎える。陣を破るための人員として、呼延顕に太行山の金頭馬氏を、焦贊に無佞府の八娘・九妹・柴太郡を、岳勝に汾州口外洪都荘の老将王貴を、孟良に五台山の楊五郎を、それぞれ呼び戻すよう命じ、各人が出立する。
楊五郎の条件
孟良が五台山に楊五郎を訪ね助力を請うと、五郎は仏門に専念していると渋りつつも、蕭天佐(未討伐の逆龍)を降すには、穆柯寨後門にある降龍木で作った斧の柄が必要だと明かし、それを持参すれば力を貸すと答える。
穆柯寨での遭遇
孟良が穆柯寨へ向かう途中、寨主の娘・穆桂英(別名穆金花、神授の飛刀の使い手)が狩りに出ており、射た鳥が孟良の前に落ちる。孟良がそれを拾ったことから嘍囉らと諍いになり、孟良はこれを打ち払うが、追ってきた穆桂英と一騎討ちとなり、四十合ほど戦って孟良は退く。孟良は道を通す代償として金の兜を差し出し、ようやく通してもらう。
宗保の出陣と生け捕り
孟良から事情を聞いた六使は困惑するが、宗保が自ら出向くと申し出て孟良と共に二千の兵を率い穆柯寨に迫る。穆桂英は降龍木を条件付きで渡すと挑発し、宗保は怒って突撃するも、三十合ほど戦った末に穆桂英の偽装した敗走に釣られて追い、矢を受けて落馬し捕らえられてしまう。孟良は救出できず陣の外に留まる。
穆桂英との婚姻
捕らえられた宗保は動じず堂々と応対する。穆桂英は宗保の若さと気概に心惹かれ、密かに嘍囉を通じて婚姻を持ちかける。宗保は降龍木を得るための好機と考え、これを承諾する。両者は酒宴を催し睦まじく過ごすうち、宋軍が寨を攻める騒ぎとなるが、穆桂英は関を開いて孟良を迎え入れ、事情を知る。孟良は事の次第に驚きつつ、軍情急を要すると促し、宗保は穆桂英に別れを告げて引き上げる。穆桂英は名残惜しそうに見送る。(詩:戦の中で結ばれた縁を詠む)
六使の激怒と幽閉
宗保は六使に事の顛末と婚姻について報告するが、六使は軍務中の私情による失態と激怒し、斬罪を命じる。令婆が取りなし、六使は死罪を免じて軍中に監禁するに留める。孟良も許しを乞うが六使は聞き入れない。
穆桂英への再交渉と焼き討ち
翌日、孟良は宗保に面会し、鐘道士の占いで「二十日の間、災難がある」と告げられたことを伝える。宗保は孟良に再度穆柯寨へ行き、降龍木の入手と穆桂英自身の参陣を求めるよう頼む。しかし穆桂英は「以前は自分が浅慮であった」と怒り、孟良を退ける。思案の末、孟良は夜陰に乗じて寨の裏手に放火し、混乱に乗じて桂英の家人を殺傷しつつ、降龍木二根を切り取って五台山へと持ち去った。