東周列國志第八十一回 美人計で呉宮が西施を寵し、子貢が弁舌で列国を説く (美人計吳宮寵西施 言語科子貢說列國)
西施・鄭旦の選抜と献上
- 文種の計により、越は国中から美女を探し、苧蘿山の薪売りの娘・西施と隣家の鄭旦を見出す。范蠡が二人を都に迎え、金を取って見物させるほどの評判となり、その代金は国庫を潤す。二人は歌舞を仕込まれたのち呉へ送られる準備が整う。
- 折しも斉の景公が没し幼子・荼(安孺子)が立つが、権臣・陳乞が国夏・高張を討ち、魯に亡命していた公子陽生を担いで悼公として擁立、安孺子は殺される。
- 悼公は魯との邾国をめぐる対立から呉に出兵を求めるが、魯が呉に取り入り形勢が逆転、呉魯連合軍が斉を攻める。陳乞の子・陳恒が悼公を毒殺して呉軍を退かせ、簡公を立てて実権を握る。
館娃宮の贅とその後の政局
- 范蠡が西施・鄭旦らを呉に献上。子胥は「美女は亡国の物」と諫めるが夫差は聞き入れず寵愛する。西施が寵を独占し、鄭旦は失意のうちに没する。
- 夫差は西施のために館娃宮・響屧廊など贅を尽くした施設を次々に造営し、遊興にふける。伍子胥は疎んじられていく。(詩:館娃宮跡を偲ぶ歌数首)
借穀の計と兵の訓練
- 越は凶作を口実に呉から穀物一万石を借り受ける。子胥は越の真意を見抜いて反対するが、伯嚭の口添えで許される。
- 翌年、越は蒸した種籾を精米と偽って返済し、呉はこれを植えて凶作となる(文種の毒計)。
- 越はさらに南林の剣の達人(処女)と楚人の弓の名手・陳音を招いて兵を訓練し、着々と力を蓄える。子胥は越の軍備強化を察知して夫差に警告するが、伯嚭に退けられる。
子貢の遊説
- 斉の陳恒は権力集中のため国書を将として魯を攻めさせようとするが、孔子の弟子・子貢が説得に赴く。子貢は陳恒に「魯でなく呉を討つべき」と説き、次いで呉王夫差には「斉を討ち魯を救えば覇を唱えられる」と勧め、あわせて越の使者を呉に送らせて夫差の越への疑念を解く。
- 続いて越に赴き句踐に「呉に従い斉討伐を助けることで、呉を消耗させ機をうかがえ」と説く。句踐は精鋭三千の派遣を申し出るが、子貢は夫差に「越王本人の従軍は控えさせよ」と助言する。
- さらに子貢は晋に赴き、呉が斉に勝てば覇を争いに来ると予告し備えを促す。こうして子貢の遊説により、呉は斉討伐へ、晋は警戒態勢へと動く。