東周列國志第六十二回 諸侯が心を合わせ斉を囲み、晋臣が謀り欒盈を逐う (諸侯同心圍齊國  晉臣合計逐欒盈)

衛献公の亡命完了

  • 追撃してきた尹公佗を公孫丁が矢で撃退し、駆けつけた献公の異母弟・公子鱄の助けも得て、献公は無事に斉へ亡命し斉の萊城に迎えられる。
  • 孫林父・寧殖は公子剽(殤公)を新君に擁立し晉に報告するが、晉の悼公は「衛の君臣の内輪の争いに介入しない」として黙認する。斉の霊公はこれを見て晉の覇気の衰えと見なし、魯の北部を攻める。

斉の太子廃立と晉悼公の死

  • 斉の霊公は太子光を廃し、寵妾戎子の願いにより子の牙を太子に立てる。魯は晉に救援を求めるが、悼公は病でこれに応じられぬまま崩じ、子の彪(平公)が即位する。

晉の対斉遠征と中行偃の死

  • 平公は魯救援のため諸侯を溴梁に集めるが斉霊公は出席せず、代理の高厚を怒らせて逃げ帰らせる。斉が再び魯を攻めたため、平公は中行偃(荀偃)に諸侯連合軍を率いて斉を討たせる。
  • 出征前夜、荀偃は厲公弑逆に連座して首を斬られる悪夢を見て梗陽の巫者に助言を求め、「東方を討てば克つが自身は死ぬ」との予言を受ける。
  • 晉軍は防門の塹壕を土砂で埋め、山谷に疑兵を配する計略で斉軍を打ち破り、殖綽・郭最を寺人夙沙衛の妨害から救出した晉将州綽が二人を捕虜とする。晉軍は臨淄の外郭を焼き払って包囲するが、鄭で子孔(公子嘉)の内応による楚の侵攻の急報が届き、囲みを解いて撤兵する。
  • 撤兵の途上、楽師の師曠が音律により楚軍の敗退を予見して的中させ、その慧眼が称賛される。中行偃は帰路に悪性の腫物を病んで死去し、以前の夢と巫者の予言が的中する。范匄が中軍元帥、荀偃の子の呉(荀吳)が副将となる。

斉の政変と晉斉の講和

  • 斉の霊公が病むと、崔杼・慶封は廃太子の光を呼び戻して即位させる(荘公)。光は戎子・牙を殺し、高厚も誅殺される。寺人夙沙衛は高唐に拠って反乱するが、荘公は殖綽・郭最らの活躍で鎮圧する。
  • 晉の范匄は斉の喪に乗じた侵攻を「不仁」として中止、これに感じた斉の晏嬰の勧めで斉は晉に講和を求め、澶淵で盟約を結んで両国は和睦する。

欒盈をめぐる晉の内紛の萌芽

  • 下軍副将の欒盈は代々の名門・欒氏の当主で、多くの有力氏族と姻戚・党与関係を結び、州綽・督戎ら死士を多く抱えていた。
  • 欒盈の母・欒祁(范匄の娘)は夫の死後、家臣の州賓と密通し財を与えるなど乱行に及ぶ。欒盈がこれを咎めて取り締まると、欒祁は逆恨みして父の范匄に「盈が謀反を企てている」と讒言し、弟の范鞅も同調する。
  • 范匄はこれを信じて平公に欒氏排除を進言。大夫の陽畢も同調し、平公は欒盈を著邑の築城に遣わしてその党与を切り離す策を採ることとし、本回の末尾で范匄が欒盈の一党への追及に着手するところで終わる。