東周列國志第八回 華督が賄賂で新君を立て、鄭忽が婚を辞す (立新君華督行賂 敗戎兵鄭忽辭婚)
華督の陰謀
- 宋殤公は即位以来しばしば公子馮の存在を警戒して鄭討伐を繰り返し、太宰華督はひそかに不満を抱く。孔父嘉が実権を握る主戦派であることから、華督は国人の不満を利用して孔父嘉を排除しようと企む。
- さらに華督は孔父嘉の後妻魏氏の美貌に一目惚れし、その夫を除いて妻を奪おうという私欲も動機に加わる。
孔父嘉の殺害
- 華督は流言を用いて出兵の責任を孔父嘉になすりつけ、軍中の不満を煽って軍士を扇動する。集まった軍士を率いて孔父嘉の邸を襲わせ、孔父嘉を斬殺し、魏氏を奪う。魏氏は連行される途中で自ら命を絶つ。
- 孔父嘉の幼い遺児は家臣に連れられて魯へ逃れ、のちに「孔」を氏として名乗る。これが孔子の先祖にあたるとされる。
宋殤公の弑逆と公子馮の即位
- 事態を知った殤公が孔父の喪に赴こうとすると、華督は軍を扇動してこれを弑逆し、宋の実権を握る。華督は各国に賄賂を送って公子馮の擁立を工作する。
- 鄭莊公は公子馮を宋へ送り返し、馮は宋莊公として即位、華督は引き続き太宰として実権を握る。
- (詩2首:篡弑の相次ぐ乱世を嘆き、殤公の因果を評す)
北戎の斉侵攻と鄭の救援
- 斉僖公が会盟の帰路、北戎の侵攻を知り急ぎ迎撃に向かう。鄭莊公は世子忽を大将、高渠彌を副将、祝聃を先鋒として救援に赴く。
- 世子忽は戎軍の性質(軽率で統制を欠く)を見抜き、偽って敗走させておびき出し、伏兵で挟撃する策を立てる。この策は的中し、戎の将小良・大良はいずれも討ち取られ、多数を捕虜とする大勝を収める。
世子忽の辞婚(再び)
- 斉僖公は世子忽の武勇に感謝し、改めて娘(文姜)との縁組を持ちかけるが、忽は「戦功に乗じて妻を求めたと思われては困る」として再び固辞し帰国する。斉僖公は憤慨する。
- (詩:辞婚の是非を論じる)
- 祭足は忽が有力な後ろ盾を自ら断つことを危惧するが、高渠彌に諫めさせても忽の意志は変わらない。
高渠彌と公子亹の結託
- 世子忽は高渠彌が公子亹と私通していると莊公に告げ、莊公が渠彌を叱責する。渠彌はこれを恨み公子亹に告げ口し、両者の間に忽への含意が生まれる(のちの弑逆の伏線となる)。
陳との婚姻
- 祭足の献策により、世子忽は陳との縁組を進め、陳侯の娘媯氏を娶る。
- 一方、魯桓公も斉へ婚姻を求めるが、斉侯の娘文姜をめぐって、この先さらなる波乱が起こることが示唆される。