鐵冠圖全傳第四十回 周奎千秋を賀すと称し主を欺き、杜勛百雉を献じ城を売る (慶千秋周奎欺主 獻百雉杜勛賣城)
周奎、皇帝の訪問を拒む
- 崇禎帝は周皇后に、太子を周国丈(皇后の父・周奎)に託して落ち延びさせたいと相談するが、皇后は父の器量と保身第一の性質を案じ、他の忠臣に託すよう勧める。帝は自ら周奎の屋敷へ赴くことにし、王承恩を伴って夜間に訪問する。
- 屋敷からは宴の音曲が聞こえるのに、応対の家人は「軍情の取次はしない、今日は主人の誕生祝いだ」と門を開けない。王承恩が聖旨をもって召すと告げても、「病のため聖旨も帝の親臨も受けられない」と拒み続け、帝は憤激するばかりで手立てを得られない。
五鳳楼にて絶望する崇禎帝
- 帝と王承恩が五鳳楼に登ると、四方に火の手が上がり砲声が轟いていた。帝は鐘を撞かせて群臣を集めようとするが、誰も参内しない。
- 帝は「十七年間、天下を治めて特に失徳もなかったが、これも天命か」と嘆く。そこへ襄城伯・李國楨が駆けつけ、守城に尽力すると誓うが、帝は既に天命を覆せないと悟り、宮へ戻る。李國楨は私財を投じて兵を鼓舞するが、人心は既に離れていた。
杜勛・杜秩亨の裏切りと開城
- 奸臣・杜勛は甥の劉孝に彰義門を守らせ、外羅城が乱れたのを合図に白い提灯を掲げさせて開門、李岩・牛金星・高迎祥・陳永福ら南路の賊軍がなだれ込んだ。
- 杜秩亨も平則門で内応し白提灯を掲げるが、内城門の千斤銅閘が下りていて開かず、賊が城壁に登って開閘を試みるも果たせない。巡城御史・王章がわずかな兵で奮戦するも殺され、杜秩亨は恐れて廟の神卓の下に身を隠す。
- 宋炯の進言で李自成は焦らず時を待ち、やがて賊が銅閘を絞り上げて開門に成功、夜明けに小雨が降る。これを「明の賢君を悼む天の涙」と結ぶ。