鐵冠圖全傳第四十七回 平西伯国のため援軍を乞い、清兵義により賊を討つ (平西伯為國乞師 大清兵仗義討賊)

呉三桂、清への援軍要請を決意

  • 史可鑒の進言を受けた呉三桂は、自ら満洲へ赴いて大清主に大兵と猛将の助力を求め、李自成・張献忠の両賊を滅ぼす決意を固める。
  • かつて崇禎三年、大清の太宗文皇帝が使者を遣わして通好していた経緯もあり、援軍要請は必ず聞き入れられると見込んだ。

清主への嘆願

  • 呉三桂は大清主に拝謁し出兵を求めるが、当初は許されなかった。重ねて懇願すると、清主は「明の文臣に信義ある者は少ないが、そなただけは孤忠の士だ。だが事が成った後、そなたはどうするつもりか」と問うた。
  • 三桂は、父祖が朝廷の厚恩を受けており、主君を弑した賊と共に天を戴くことはできぬと答え、成敗を計算して動いているのではないと訴えた。先君の無念を涙ながらに述べたところ、清主は感動し、出兵を許可した。

山海関での初戦勝利

  • 援軍の約束を得た呉三桂は急ぎ山海関へ引き返す途中、様子を探りに来た賊将劉文崇の軍勢数万と遭遇し、これを大破。劉文崇はわずかな残兵で逃げ去った。
  • 三桂はその勢いに乗じて関を突破し、軍を屯営させて機を窺った。

李自成の懐柔策

  • 京城を占拠した李自成は、外に駐屯する呉三桂・左良玉らの動向を恐れ、二人を招安して味方に引き入れようと画策する。
  • 「大順国」の名で偽の詔書を発し、天命が明から自分に移ったとして明の将士に投降を呼びかけ、抵抗すれば孫伝廷・周遇吉・蔡懋徳のように一族もろとも滅ぼされると脅した。

唐通の提案

  • 呉三桂は出兵後、破竹の勢いで各地を攻略し、自成の偽檄文をことごとく焼き捨てて回った。
  • 焦る李自成のもとへ、旧知の降将・唐通が現れ、かつて対等な立場にあった誼を頼りに自分が説得すれば呉三桂も投降するだろうと申し出る。もし説得が不調に終われば大軍で攻め滅ぼせばよいと進言した。