鐵冠圖全傳第二十二回 総鎮を説くも解三命を落とし、平陽を捨て寧武で交戦す (說總鎮解三喪命 舍平陽寧武交兵)

牛金星の計と解三の潜入

  • 牛金星は、口達者な者を密使として関内に送り込み、周遇吉に投降を説かせる計を献じる。李闖はこれに応じ、解三(あだ名・油嘴娃)を使者に選ぶ。
  • 解三はかつて寧武関で鋳磨匠をしており、関の門番・楊把総にも顔が知られ、周府にいる兄弟弟子の王虎を頼れると申し出て、鋳磨匠に扮して関内に入る。

周遇吉を欺こうとする解三

  • 解三は王虎の伝手で周遇吉に近づき、母の死や飢饉苦難を語って涙を見せ、信用を得る。
  • 周遇吉に賊軍の様子を問われると、潼関で賊に捕まり働かされた経験を語り、闖王軍の陣容や、宋軍師・牛丞相の才覚、闖王の人望を説く。さらに賊が周遇吉の武勇を惜しみ、関を差し出せば天下を分け与えると噂していると匂わせる。
  • 周遇吉が密使であろうと見抜いて問い詰めると、解三は李闖の書状を差し出す。書には、周遇吉が降れば旧怨を水に流し王に封じ天下を分けると記されていた。

周遇吉の反撃

  • 激怒した周遇吉は解三を捕らえ、衣を剥いで背に朱筆で、昔日に賊の妻子を軍門で処刑した経緯と、なお歯向かうなら容赦せぬ旨を書き記し、耳と鼻を削いで城外へ追い出す。
  • 解三は血まみれで李闖の前に泣きながら経緯を訴え、背の朱字を読んだ李闖は激怒し、周遇吉との決戦を決意する。義子李雙喜を先鋒とし、牛金星の勧めで李洪基と改名させ、五千の兵を率いて寧武関へ向かわせる。

寧武関攻防の緒戦

  • 周遇吉は母を四川へ避難させ、夫婦で関を守る。賊軍到来の報に出陣すると、若き将・李洪基(十七、八歳、赤兔馬に乗り点鋼槍を持つ)が現れ、劍山で父王の眷属を害したと罵り挑む。
  • 両者は戟と槍で数十合渡り合う。周遇吉は李洪基の勢いに詐り敗れて誘い込み、間合いを見て喉元へ矢を放つ。李洪基の命運やいかに、というところで話は次回へ続く。