鐵冠圖全傳第二十五回 馬耳山に四面伏兵し、総帥府に一夫急を報ず (馬耳山四面伏兵 總帥府一夫報信)
馬耳山の伏兵
- 周遇吉は李闖を追って馬耳山中に踏み込むが、山道の分岐で李闖を見失う。
- 一発の砲声とともに伏兵が四方から現れ、東西南北の四つの山口が塞がれ、周遇吉らは完全に包囲されてしまう。
- 山中で羊を追っていた牧童も巻き込まれて泣いていたが、周遇吉に呼ばれて事情を聞かれ、四つの山口以外に抜け道が無いことを教える。周遇吉は羊を食料として当座をしのがせ、援軍を待つよう命じる。
- 実は、監軍の杜勛は周遇吉が李闖を深追いして計略にはまったことを知りながら、密かに馬耳山の様子を探らせる一方、賊の間諜を城内に引き入れ、元帥府に知らせが漏れぬよう軍令で口止めしていた。
白夫人、異変を察知する
- 妻の白氏は、夫が太府の宴席に出たまま戻らないことを案じ、一晩中憂えていた。
- 翌朝、監軍府へ様子を尋ねさせると、「老爺は昨日杜府で酒を飲んだ後、装備を整えて城を出、煙墩の砦を巡視しており、三日後に戻る」との報告があり、いったんは信じて安心する。
劉茂の密告
- 杜勛が馬耳山の様子を探らせた四人の従者のうち、三人だけが戻り「周遇吉は計略にはまり包囲された」と報告する。
- 残る一人・劉茂は帰りが遅れ、酒に酔っていたとして杜勛に四十の棒打ちの上、役を解かれ追い出される。
- 恨みを抱いた劉茂は周府に駆け込み、杜勛が賊と内通し、周遇吉をわざと誘い出して馬耳山に閉じ込めた陰謀を白夫人に告げる。夫人は最初疑うが、劉茂の棒傷を見て真実と悟り、涙を流しつつ怒りを固める。
白夫人、出陣する
- 白夫人は直ちに武装し、腕利きの女兵五十名を率いて監軍府へ乗り込み、夫の行方を問い詰める。
- 監軍府の総管は「各々職分が違うので周老爺の行方は知らない」とはぐらかすが、夫人は激しく叱責し、援軍を出すよう迫る。
- 杜勛は「周老爺は勇猛だから自力で脱出できる、城の守兵にも余裕が無い」と拒み、夫人に城内を騒がせぬよう帰るよう告げさせる。
- 夫人は転じて奸賊を罵倒し、西門を出て劉茂の案内で馬耳山へ急行する。
東山口の激突
- 東山口には賊将・高迎祥の陣営(配下三万)があると劉茂が告げる。
- 白夫人は名乗りを上げ、高迎祥自らが出陣してくるが、夫は別方向にいると挑発する。夫人は「定西伯は確かに東山口から入った」と言い返し、刀を振るって高迎祥に斬りかかったところで場面が切れる。