鐵冠圖全傳第三十八回 荊軻に倣う勇士首を失い、李闖に通ずる奸臣命を落とす (效荊軻勇士喪元 通李闖奸臣殞命)

下関での奇襲と苦戦

  • 王進忠の軍が上関に攻め入り、于守備は討死して上関は陥落。馬岱は下関を守っていたが、これを聞いて自刃しようとするも周囲に諫められ、逆に伏兵を用いた奇襲を思いつく。
  • 王進忠が夜陰に乗じて下関に迫ると、馬岱の伏兵二百が現れ、王進忠の副将・黨三傑を討ち取る。王進忠は落馬して危うく討たれかけるが、暗夜に紛れて逃走。両軍とも損害を受けるが流賊側の損失がはるかに大きい。
  • 王進忠は居庸関からの増援を求め、大砲を揃えて改めて下関を攻める。

馬岱、荊軻に倣い偽りの降伏を謀る

  • 三日三晩の攻防で下関は火薬・矢を使い果たし、馬岱は自害を覚悟するが、部下に止められ、代わりに偽って降伏し李闖に近づいて刺し違える策を立てる。
  • 部下を先に賊営へ遣って降伏を申し出させるが、軍師・宋炯は疑い、馬岱本人が出頭するよう要求する。

賊営での壮絶な最期

  • 馬岱は部下を逃がした上で単身賊営に赴く。身体検査をしようとした賊を斬り、囲みを突破して李闖に迫るが、牛金星の長槍隊に阻まれ、剣を投げつけるも外れ、深手を負ったところを討たれて絶命する(詩:荊軻さながらの忠義と無念を悼む内容)。外にいた義兵たちも主の死を知り、次々に殉じる。

裏切り者の末路と李闖軍の進撃

  • 怒った李闖は関内へ突入するが、すでに軍民は逃げ去った後で、北門を破壊させ南門を開かせる。王進忠・尤固才らは「駕を迎えに参上した」と得意げに出頭するが、李闖は裏切り者として彼らを斬り捨てる。
  • 李闖軍は居庸関を経て昌平へと進み、李岩・陳永福の部隊と合流。捕らえていた湘王(実は身代わりの包知県)を後営に留め置く。

崇禎帝、また不穏な文書を見る

  • 北京では、崇禎帝の御前に日付も差出人もない「公文」とだけ書かれた文書が置かれているのが見つかる。帝がこれを開くと、天地を揺るがすほどの衝撃的な内容であった。