說唐第三十五回 氷が瓊花を打ち昏君は興ざめし、剣で妖異が誅され楊素は命を落とす (冰打瓊花昏君掃興 劍誅異鬼楊素喪身)
徐茂公の軍配と李元霸の突進
徐茂公は王伯当からの報告を受け、十八家の反乱軍を後方に退かせ、四路八方に瓦崗軍の人馬を配置した。将官には黄旗を目印として掲げさせたが、裴元慶だけは従わなかった。裴元慶は「自分の二本の鎚の前に敵う者などいない、李元霸など恐れるに足りぬ」と豪語し、単独で西山に陣を張った。茂公は秦叔宝に、今回の大戦は叔宝でなければ李元霸を止められないと密かに託した。
李元霸は金頂龍舟を離れ、鎚を振るって四明山に突進してきた。秦叔宝が現れると、李元霸は叔宝を命の恩人と認め、戦わずに何度も進路を変えた。しかしそのたびに黄旗を掲げた反乱軍の将に行く手を阻まれ、元霸は「なぜ恩人の友人がこんなに多いのか」と訝しんだ。
叔宝と元霸の一騎打ち(偽装)
日が傾く頃、元霸は苛立ち始め、叔宝の槍を鎚で受けて弾き飛ばしてしまった。元霸は自ら槍を拾い上げて叔宝に返し、恩に報いるためこれ以上追わず、瓦崗寨へ戻るよう促した。叔宝はこれに従い四明山へ戻った。
一方、黄旗のない裴元慶は元霸と鎚を交え、三合を受け止めたことを元霸に称賛され見逃された。元霸はその後、伍雲召・雄闊海・伍天錫の三人を蹴散らし、十八家反乱軍は大敗した。楊林も裴元慶と衝突し武器を折られ大敗、登州へ逃げ帰った。李元霸は四明山で反乱軍の大将五十人を討ち取り、その名は諸国に轟いた。
瓊花観の異変
元霸が戦況を報告すると煬帝は喜び、揚州へ向かい、世民と元霸に瓊花観の整備を命じた。見事な瓊花を目にした二人だったが、その夜、暴風とともに氷片が降り、瓊花はことごとく打ち壊され、翌朝には氷山と化してしまった。
金山遊覧と煬帝の凶夢
煬帝は落胆しつつ、宇文化及の勧めで金山遊覧に赴くことにした。化及は瓜州に千隻の彩船を用意させ、民は疲弊した。金山行宮で煬帝は、亡き父文帝や太子楊勇、僕射伍建章ら怨霊に命を迫られる夢を見、金の犬に助けられて目覚めた。化及はこれを「婁金狗」=李密の生まれ変わりと解釈し、除くべきだと進言した。
李密の危機と脱走
江都へ戻る途上、龍舟の上から蕭后を見つめた李密の無礼を蕭后が咎め、煬帝は激怒して竇建徳に李密の斬首を命じた。刑場で竇建徳・朱燦・王世充(催刑官として居合わせた)が示し合わせ、朱燦が縄を断ち李密を救出、四人はそれぞれ武器を取り家将を率いて江都を脱出した。世民・柴紹・元霸が追撃を命じられたが、実際には深追いせず太原へ引き上げた。
各将の割拠
- 竇建徳は四明州で劉黒闥・蔡建方・蘇定方・梁廷方と合流し明州を奪い、夏明王を称した。
- 王世充は洛陽で段達と合流し洛陽王を称した。
- 朱燦は楚州で高士達亡き後の集団に推され南陽王となった。
楊素の死と瓦崗の異変
李密は黎陽の越国公楊素を頼った。楊素は大堂に座ると悪鬼に襲われると訴え、李密が退治を申し出た。楊素が座ると鬼の姿が現れ、李密が斬りつけたところ、実は鬼は見えず楊素自身を斬り殺してしまう結果となった。楊素の子・楊玄感は父の死を知り李密を捕らえ、朝廷へ護送しようとした。
瓦崗寨では程咬金が皇帝の座に疲れ果て、位を退くと宣言した。徐茂公は程咬金の運(三年の約束)が尽きたことを悟り、真の主君の到来を告げて回を結ぶ。