說岳全傳第七十三回 胡夢蝶は酔って詩を吟じ地獄をめぐり、金の兀朮は三曹対案の後再び兵を興す (胡夢蝶醉後吟詩遊地獄 金兀朮三曹對案再興兵)

胡迪の地獄めぐり

  • 臨安の秀才・胡迪(字夢蝶)は岳飛の死を悲しみ、天地に私があると憤って詩を書いては燃やしていた。黒蛮竜の進撃が張俊に敗れたと聞き、憤慨して過激な詩を書いた夜、鬼吏に連れられ冥府へ赴く(体は仮死状態になる)。
  • 閻魔王の前で、天地に私ありと詠んだ罪を問われるが、胡迪は堂々と己の正義を述べた供述文を提出し、閻魔王も感心する。
  • 「自分が閻魔になりたい」との発言を咎められるが、胡迪は歴史上の例(韓擒虎らが死後閻魔になったという話)を引いて反論する。
  • 閻魔王は胡迪に地獄の諸相を見せる。秦檜・万俟卨・張俊ら奸臣、歴代の奸臣(章惇・蔡京・王黼ら)、不忠な宦官(十常侍・李輔國ら)、貪官汚吏らが、風雷・火車・金剛・冷溟の各地獄で繰り返し責め苦を受け、数年後には畜生に転生させられる様が示される。
  • 胡迪は満足し、秦檜を弾劾する判文を新たに書く。閻魔王はさらに岳飛・岳雲・張憲、そして金の皇子(兀朮)の霊を呼び出し、三者を対面させて因果を明らかにする。岳飛父子は星官の生まれ変わりであり、いずれ神として封じられると告げられる。秦檜は地獄で再び鞭打たれる。
  • 胡迪は寿命を延ばされて現世に送り返され、三日ぶりに蘇生する。以後は善行を積み、九十余歳まで生きた。

兀朮、再挙兵

  • 金国では完顏阿骨打の後を継いだ吳乞買も没し、粘罕の子・完顏亶が即位する。兀朮は夢で岳飛と冥府で対面したことを都合よく解釈し、岳飛が死んだ今こそ宋を攻め取る好機と考える。
  • 兀朮は軍師哈迷蚩らと諮り、五十万の大軍を起こして中原へ再侵攻する。