說岳全傳第37回 五通神は霊験を現し大海を渡らせ、宋の康王は牛頭山で囲まれる (五通神顯靈航大海 宋康王被困牛頭山)
(詩:廟に祀られる神威が千年にわたり広く知られ、目に見えぬ神の助けを信じるべきと詠む)
銭塘の潮に救われる
- 追い詰められた高宗一行を海船が救うが、追ってきた兀朮を漁師に扮した忠義の三人(後の松江の土地神)が欺き、潮汛(大津波)に金軍の先鋒を呑み込ませて壊滅させる。
山賊・燕青との遭遇
- 別の船に拿捕された高宗一行は、実は梁山泊の浪子・燕青が根城とする蛇山に連れて行かれる。宋江の忠義の壁画を見た李綱が燕青を「不忠の徒」と罵ると、燕青は反省し一行を海へ帰す。
五通神の加護と界牌関到着
- 漂流する一行を五人の大男が救い、あっという間に湖広の界牌関へ送り届けて姿を消す。後に高宗はこの神々を「五顕霊官」として祀ることになる。
張邦昌の裏切りと蔣夫人の犠牲
- 一行は誤って張邦昌の屋敷に迷い込む。邦昌は表向き保護を装いながら密かに金軍へ密告するが、邦昌の正妻・蔣氏がこれを察知し、高宗一行を裏の塀から逃がしたうえで自ら首をくくって果てる。邦昌はその首を斬って粘罕に手柄として差し出す。
王鐸親子の明暗
- 逃走中の一行は王鐸の屋敷に捕らえられるが、王鐸の子・王孝如が父に背いて一行を解放し、忠孝の板挟みに苦しんで入水自殺する。追跡役にされた家臣・王徳壽もわざと山道で崖から身を投げ、追っ手を遅らせて一行を守る。
牛頭山への籠城
- 追い詰められた一行は豪雨に助けられて山頂の霊官廟にたどり着く。一方、澶州の岳飛は金陵陥落と皇帝行方不明の報に絶望し自害しかけるが、諸葛英・公孫郎の扶乩(神託)で「牛頭山」の所在を突き止め、牛皋を先発させて高宗を発見・保護する。
論功行賞と軍律の布告
- 岳飛は玉虚宮に高宗を迎え、五顕霊官の加護に感謝しつつ、拝将の儀を経て自ら大元帥に任じられる。あわせて厳格な軍律十四箇条を掲げるが、その中に牛皋の悪癖(大声・大酒)を戒める条項が含まれ、湯懷が機転を利かせて牛皋を宥め、糧秣輸送の大功を立てさせる場を設ける。