說岳全傳第十五回 金の兀朮は兵を興し侵入し、陸子敬は策を巡らせ敵を防ぐ (金兀朮興兵入寇 陸子敬設計御敵)
(詩:漁陽の鼓が鳴り渡り、金兵が国境に迫る様を詠む)
紅羅山の五人との結義
- 戟を持つ頭目は施全と名乗り、他の四人(刀の趙雲、槍の周青、叉の梁興、狼牙棒の吉青)も紹介する。五人は元は武科挙を目指していたが、岳飛が小梁王を討ったことで試験が中止になり、路銀に困って山賊まがいのことをしていたと語る。
- 岳飛は彼らと義兄弟の契りを結び、一同で湯陰県に戻り、文武の鍛錬に励む。
金国の勃興と兀朮の登場
- 北の女真族・大金国の狼主・完顏烏骨達には五人の太子(粘罕・喇罕・答罕・兀朮・沒利)がいる。軍師哈迷蚩が中原の情勢(欽宗が奸臣を重用し国境の守りが手薄)を報告し、狼主は中原侵攻を決意する。
- 掃南大元帥を選ぶため、千斤の鉄龍を持ち上げる試練が課される。誰も持ち上げられない中、四太子・兀朮が名乗り出るが、南朝びいきを嫌う狼主は激怒し処刑を命じる。軍師の取りなしで試練の続行が許され、兀朮は神に祈った上で見事に鉄龍を持ち上げ、昌平王・掃南大元帥に任じられる。
- 兀朮は五十万の兵を率いて南下し、中原へ侵攻する。
潞安州の陸登の防備
- 最初の関所・潞安州の節度使・陸登(字子敬、綽号「小諸葛」)は、五千の兵で守る中、兀朮の五十万の大軍が迫るとの報を受け、周到な防御策を講じる。城壁への糞尿攻撃の準備、水攻め対策の網や鉤爪、竹筒の仕掛けなどを配備し、朝廷や近隣の総兵・韓世忠、太守・張叔夜へ救援を求める。
攻防戦
- 兀朮は陸登に降伏を勧めるが拒否され、一騎打ちで陸登を退けるも深追いはしない。以後、城は「免戦牌」を掲げて籠城戦に徹する。
- 兀朮は昼夜の攻城戦(雲梯による城壁攻め)を試みるが、いずれも糞尿や鉤網の仕掛けで大損害を受け撃退される。攻めあぐねた兀朮は狩りに出て気を紛らわせる。
- 狩りの最中、林に隠れていた男を捕らえる。