民國演義第四十九回 女権を競い喜び熱鬧の場に趕き、民意を徴し組織法を咨行す (競女權喜趕熱鬧場 徵民意咨行組織法)
楊士琦の偽装反対演説
- 楊士琦は参政院で袁の名による宣言を代読する。表向きは「国体変更は軽々に決すべきでない」とする内容だが、実際には帝制推進派の布石であった。
- 黎元洪は「至理がある」と応じかけるが、梁士貽が即座に「民意は君主立憲を望んでいる」と割って入り、拍手喝采を浴びる。黎は沈黙するほかなく、梁士貽・沈雲霈が主導権を握って「国民会議で決すべき」との方向にまとめてしまう。
続出する請願団
- 商会・教育会・人力車夫・乞食に至るまで様々な団体が請願を行う中、婦人請願団も現れる。発起人は山東出身の安靜生。革命当初は共和・自由を唱えていたが、帝制が有利と見るや「時勢を見極めるのが俊傑」と臆面もなく転向し、婦女請願会を組織、宣言文を発表する。
- 続いて妓女請願団も現れる。発起人・花元春は袁の長男・克定と情を通じており、克定から将来の栄達を仄めかされ、遊女仲間を率いて請願書を提出する。
国民代表大会組織法の制定
- 参政院に大量の請願書が集まる中、副院長・汪大燮が黎元洪不在のまま会議を主導する。梁士貽が「国民会議当選人による本籍地投票」という変則的な方法を提案し、楊度らも賛同、満場一致で採択される。
- 梁士貽ら八名の参政が起草委員となり、「国民代表大会組織法」(全十六条)を作成する。国体の可否を国民代表の投票により決定する仕組み、代表の構成(各省・蒙古・西藏・青海・回部・八旗・商会華僑・勲労者・碩学通儒等)、選挙監督者、投票手続きなどを規定し、参政院を通過、政事堂へ送付される。
- (対句:民権を口実にしながら実は国体変更を狙う魂胆が露わになる、という含意)
評語
- 前半で描かれる安靜生、後半で描かれる梁士貽はいずれも寵栄を求めて時流に乗じる投機的人物として描かれる。時勢に乗じること自体は必ずしも悪ではないが、私心をもってこれを行えば、それは迎合に過ぎず真の志士とは言えない。民国成立以来、利欲の風潮が人心を蝕み、気節や廉恥が失われていくさまが嘆かれる。