洪秀全演義第二回 深山で群英義を結び、督幕に遊び豪商を釈す (會深山群英結大義 游督幕智士釋豪商)

銭江、清朝の衰運を説く

  • 銭江は、悪政・寵臣の専横・黄河の決壊・長安の城壁崩落・水旱疫病などの凶兆を挙げ、二年前に浙江で流行った童謡を引いて、広西・桂林方面に将星が集まっていると告げる。密かに同志を求め大事を図るべき時だと雲山を励ます。

馮雲山、洪秀全を推挙

  • 雲山は同郷の洪秀全こそ真の英雄だと語り、翌日銭江に引き合わせる約束を交わす。

山寺での義兄弟の契り

  • 翌日、道中で秀全の次兄・洪仁達(号孝庵)が悪ふざけで二人を驚かせた後、山寺へ案内される。秀全は満族の剃髪を拒み道士姿に扮していた経緯を語り、銭江に教えを乞う。
  • 銭江は広東は水軍も武備も未熟で用兵の地ではなく、険阻で豪傑の多い広西こそ拠るべき地であり、長沙・武昌・南京を経て北上すべしと説く。さらに外国との軋轢を避けるため、まず洋教(キリスト教)に入信し布教を名目に広西へ入ることを勧める。
  • 長兄の洪仁発(号道生)も加わり、銭江・秀全・雲山・仁達・仁発の五人は天地に誓いを立て、祖国光復のために力を尽くすことを義兄弟の契りとして結ぶ。

林則徐の招聘

  • 銭江は衙門に戻り、両広総督林則徐(字少穆)から人材を求める招聘状を受け取る。好機と見た銭江はこれを受け、花県知県張尚挙に別れを告げて省城の総督幕府へ赴任する。

伍紫垣のアヘン事件

  • 総督幕で辣腕を振るう銭江のもとに、アヘン貿易の大商人・怡和行の伍紫垣(号紫垣)の案件が回ってくる。林則徐は伍を厳罰に処そうとするが、銭江はこの商人を救うことで恩を売り、将来の同志にできると考え、故意に処理を長引かせる。
  • 伍家の家人たちが奔走する中、旧知の朱少農が伍家の家人・潘亮臣を伴って夜分に銭江を訪ね、黄金一万両を条件に減刑を頼むが、銭江は金銭で動く人間ではないと一喝して拒む。ただし、林則徐の怒りが収まれば力を貸すと約束し、二人は感謝して帰る。

英雄の計略と豪商の油断、官吏の讒言と志士の受難――続きは次回に。