魏鄭公諫錄読書の善事について答える(對讀書善事)
- 太宗は、自分は近ごろ書を読み善事と見ればすぐ実行してきたが、人を用いることになると善悪の判別が難しく、人を知ることは実に容易ではないと感じている、公ら数人を任用してきたのに、なぜ政治の成果が文帝・景帝の代に及ばないのかと問うた。
- 魏徴は、陛下が政道に心を留め、臣らに委任される厚さは古人を超えているが、臣らの才が凡庸で陛下の期待に副えていないだけであり、四夷が服し天下無事であることは古来今日ほどの例はなく、文帝・景帝でさえ及ばないと答えた。
- さらに魏徴は、古来人君は即位当初は皆堯舜に比べられることを望むが、天下が安定すると初めの善行を続けられなくなり、臣下も初め委任された時は心を尽くし力を尽くそうとするが、富貴を得ると官爵を保つことばかり考えるようになる、もし君臣が常に怠らずにいられれば、天下が安んじない道理はないと述べた。太宗は「確かな論であり至理はまさに公の言う通りだ」と応じた。