魏鄭公諫錄古来帝王は国祚の長久を望むと答える(對古來帝王皆欲國祚長乆)
- 太宗は、古来の帝王は皆国運の長久を望んだが、威勢が高まると下の実情が上に伝わらなくなり、加えて小人と君子が朝廷に入り混じって用人を誤り、ついに滅亡に至ると述べた。
- 魏徴は、佞人と忠臣正士はいつの世にもともに存在し、時の君主の好みに応じて進退するものであって、忠正の者を用いれば治まり、邪佞の者を用いれば乱れるのは必然の理だと答えた。
- 太宗は、帝王たる者は交わる相手を慎まねばならず、鷹狩りや馬・声色・美味などは望めばすぐに手に入るが、こうした嗜好は常に人の正道を損なうものであり、邪佞と忠正のどちらが用いられるかも時の君主の好み次第で、賢者を用いなければ滅びは避けられないと述べた。
- 魏徴は、斉の威王が淳于髡に「私の好みは古の聖王と同じか」と尋ねた故事を引いた。淳于髡は「古の聖王の好みは四つあったが、王の好みは三つしかない。色・馬・美味は王も好むが、賢者を好むことだけがない」と答え、王が「今は好むべき賢者がいない」と言うと、髡は「西施・毛嬙のような美色、龍肝・豹胎のような珍味、飛兔・緑耳のような名馬は今はいないはずなのに、王の厨房・後宮・外厩にはすべて備わっている。賢者がいないというのも、実は前代の賢者が王に会えていないだけではないか」と応じたという。
- 太宗はこの故事に深く同意した。