魏鄭公諫錄圍川県官に科罪することを諫める(諫科圍川縣官罪)

  • 右僕射李靖・侍中王珪が使命を終えて九成宮から圍川県を通過した際、先に到着していた宮人の宿舎を移して自分たちが使い、また別の使いが始平県で先着の宮人を移動させたうえ、右丞裴載の家族に対しても礼を欠く扱いをしたとの訴えがあった。太宗はこれを大いに怒り、「官職を笠に着て宮人を軽んじるとは何事か」として、始平の官吏空処約らを杖百に処し、圍川の官吏や李靖らも調べ処罰しようとした。
  • 魏徴は、李靖・王珪は礼法をわきまえた人物であり、自ら好んで宮人を移動させるとは考え難く、これは訴えの側の誤りである可能性が高いとしつつも、仮に事実であっても情状酌量の余地があると諫めた。理由として、李靖らは陛下の腹心の大臣であり、宮人は皇后の雑用係にすぎず、その軽重は同列に論じられないこと、また李靖らは外地から戻れば陛下に民情を報告する立場であって宮人と接すること自体は避けられないこと、宮人が出使する際も州県とは食事の供給以外に関わりを持たないはずであることを挙げた。この件で官吏を処罰しても徳の評判を高めるどころか、天下の耳目を驚かせるだけだと述べた。
  • 太宗はこれを是とし、州県の官吏の罪を赦し、李靖らの件も不問に付した。