隋唐演義第三十回 新しい歌を賭けて宝児は寵を博し、図画を観て蕭后は遊びを思う (賭新歌寶兒博寵  觀圖畫蕭后思游)

楊柳詞の賭け

朱貴兒・韓俊娥・杳娘・妥娘・袁寶兒の五人の美人が西軒に集まり、春の柳を題に即興の詞を歌い比べることにする。韓俊娥、妥娘、朱貴兒、杳娘が次々に歌い、最後に袁寶兒が「楊柳青青壓禁門」の詞で、皇恩を忘れぬ心情を巧みに詠み込み、一同から称賛を浴びる。

煬帝の立ち聞きと褒賞

実は屏風の陰で一部始終を聞いていた煬帝が姿を現し、五人の歌をそれぞれ評し、特に寶兒の機知と皇恩への感謝を褒める。全員に反物を、寶兒にはさらに明珠を賜る。

隠れん坊と夫人たちの来訪

夫人たちが軒へ近づく気配を察し、煬帝は美人たちに隠してもらうことにする。あれこれ思案した末、壁厨に隠れることになる。到着した秦夫人ら夫人たちは煬帝を捜し当てられずにいたが、薛夫人の計略と花夫人の勘によって壁厨の煬帝が見つかり、一同大笑いとなる。

詩会の企画

夫人たちは美人たちの歌合わせの話を聞き、自分たちも即興の詩詞を作ろうと言い出す。煬帝は賞罰の取り決めを面白がりながら承知し、まだ来ていない八院の夫人たちも呼び集めて十六院合同の詩文会を催すことになる。

構想中の光景と木蘭庭への誘い

夫人たちがそれぞれ思案を巡らせる様子に見とれていた煬帝のもとへ、蕭后から木蘭庭の花見に誘う使いが来る。煬帝は迷いつつも木蘭庭へ向かうことにし、途中で来遅れた儀鳳院の李夫人と出会い、共に宮中へ赴く。

木蘭庭の宴と広陵図

木蘭庭で蕭后・李夫人と合流した煬帝は花を楽しんだ後、酒宴の席で美人たちに再び楊柳詞を歌わせ、蕭后も上機嫌でこれを聞く。やがて煬帝は殿上に掛かる広陵(揚州)の図に見入り、揚子江や甘泉山・大銅山・蕪城など、かつて自ら鎮守した揚州の風物を蕭后・李夫人に細かく説明し、いつか都をそこに移し十六院に劣らぬ宮殿を築きたいと語る。水路さえあれば妃たちを伴って行けるのにと惜しむ煬帝に、蕭后は「河道を探せぬはずはない」と励まし、この夜は李夫人も共に宮中に留まる。

河道開削の詔

翌日、煬帝は群臣を集め広陵へ通じる河道の開削を命じるが、既存の水路では通じないとの返答に終始する。煬帝は各地方官と協議のうえ改めて報告するよう命じ、朝を退く。