漢書卷四十六 萬石衞直周張傳第十六 張敺

寛容な獄吏

  • 張敺は高祖の功臣安丘侯張説の少子。文帝の時、刑名の学をもって太子に仕えたが、長者としての人柄で知られた。景帝の時九卿を歴任し、武帝元朔中に御史大夫となった。
  • 吏として過酷な言葉を用いず、疑わしい獄案は差し戻し、やむを得ない場合も涙を流しながら裁決するほど人情に厚かった。老いて引退を願い出ると天子は上大夫の禄で応えた。

史論

  • 賛にいう。孔子は「君子は言葉に訥(とつ)にして行いに敏なるを欲す」と言った。万石君・建陵侯(衞綰)・塞侯(直不疑)・張叔(張敺)はまさにこれに当たる。厳しくせずして教化が成り、威を張らずして治まった。ただし石建が衣を自ら洗い、周仁が汚れた身なりを装ったことについては、君子から批判の声もあった。