東周列國志第八十五回 楽羊子が怒り中山の羹を啜り、西門豹が偽り河伯の嫁入りを送る (樂羊子怒餟中山羹 西門豹喬送河伯婦)

魏文侯の人材登用

  • 魏文侯は子夏に経書を学び、田子方を友とし、隠者段干木には礼を尽くして訪ね、家臣にせず賓客として遇する。
  • 猟師との約束を、雨天でも自ら赴いて守るなど信義を重んじ、これにより諸国から賢才が集まり、政令もよく行われるようになる。

樂羊の中山討伐

  • 東の中山国(鮮虞)の君主姫窟が暴政を敷いていることを知り、文侯は討伐を決意。翟璜の推薦で樂羊を大将に起用する(樂羊の妻が学業半ばで機織りの糸を断ち切り学問の中断を戒めた故事も紹介される)。
  • 樂羊は西門豹を先鋒とし、火計で敵将鼓須の陣を焼き払って大勝、中山を包囲する。
  • 敵は樂羊の実子・樂舒を通じて和睦を求め、樂羊は情に流されず攻めを緩めるが、追い詰められた中山側は最終的に樂舒を殺しその肉を羹にして送りつける。樂羊は毅然としてこれを口にし、なお攻めを続けて中山を陥落させる。
  • 凱旋した樂羊に対し朝廷内では讒言が相次いだが、文侯は動じず信頼を貫き、のちに疑いの上奏文の束を見せて信任の深さを示す。ただし兵権は取り上げ、靈壽君に封じて安住させる。
  • 中山の守りに就いた太子撃が、驕らぬ姿勢の隠者田子方に問答を挑まれ諭される逸話も語られる。

西門豹の鄴統治

  • 西門豹は鄴の太守となり、「河伯に嫁を娶らせる」という悪習――巫女が美しい娘を選んで河へ流すと称し、実は財を搾取し娘を溺死させる仕組み――があることを知る。
  • 儀式当日、河伯の嫁として選ばれた娘が不釣り合いだとして、老巫女とその弟子、さらに関与した三老らを次々と河に投げ込み、悪習を根絶させる。
  • 灌漑用水路を開いて民の暮らしを豊かにする。
  • 文侯は西河の守りを誰に任せるべきか翟璜に相談し、翟璜は呉起を推薦する(末尾は次回予告)。