東周列國志第三十一回 晋恵公が怒り慶鄭を殺し、介子推が股肉を割いて君に食べさせる (晉惠公怒殺慶鄭 介子推割股啖君)
惠公の帰国と慶鄭の処刑
- 靈臺山に幽閉された惠公は、穆姫が自害を訴えて自分を救ったことを知らずにいた。韓簡の諫言もあり、公孫枝の仲介で秦は五城割譲と世子圉の人質を条件に惠公を帰国させることとした。
- 帰国した惠公は、韓原で自分を見捨てた慶鄭を詰問。慶鄭は自らの過失を認めつつも「戦って傷を負わず生還した者に、力戦しなかったと言えるのか」と抗弁したが、梁繇靡の強い主張により処刑された。蛾晰は遺体を丁重に葬った。(詩:惠公の器量の狭さを嘆く内容)
- 惠公は屠岸夷の遺体も上大夫の礼で葬らせ、子を中大夫に取り立てた。
重耳暗殺計画と亡命
- 惠公は郤芮の献策により、寺人勃鞮に命じて狄にいる公子重耳の暗殺を図る。老臣狐突がこれを察知し、急使を送って重耳に知らせた。
- 重耳は狐偃の勧めで狄を去り、伯業を保つ齊への亡命を決意。妻の季隗には「二十五年待って戻らねば再嫁してよい」と告げて出立。従者頭須は財貨を持ち逃げし、一行は困窮した状態で旅立った。(詩:重耳の流浪の身の上を詠む内容)
- 勃鞮は暗殺を果たそうとするが、重耳が既に出立していたため空振りに終わり、面目なく晋へ帰った。
衛・五鹿を経ての苦難
- 重耳一行は衛に立ち寄るが、衛文公は同姓の誼を理由に冷遇し入国を拒否。魏犨・顛頡は略奪を主張するが趙衰・重耳はこれを退けた。
- 五鹿では農夫に食を求めるが、土塊を渡されて侮辱される。狐偃は「土地を授かる兆し」と機転を利かせ、重耳に拝受させた。(詩:土地を得る前兆と読む逸話を詠む内容)
- 空腹の重耳に、介子推が自らの股の肉を割いて羹にして差し出す逸話が語られる。(詩:介子推の忠孝を称える内容)
- 趙衰も自分の食を分け与えず一同に配るなど、従者たちの忠義が描かれる。
齊桓公の厚遇と鮑叔牙の死
- 重耳一行はようやく齊に至り、桓公から歓待を受ける。桓公は宗女を重耳に娶らせ、馬車や食糧を与えて厚遇した。
- 一方、桓公は管仲の遺言に反して長衛姬の勧めで易牙・豎刁・開方の三人を呼び戻してしまう。鮑叔牙は諫めるが聞き入れられず、憤死した。これにより齊の政治は乱れ始める。