鐵冠圖全傳第十六回 三辺を任じ病を帯び功を立て、七盤を探り謀って賊を捕う (任三邊帶病立功 探七盤用謀擒賊)
孫伝廷の登板
- 崇禎帝は福王からの急報を受け、賊が西安を脅かしていることを憂い、三辺を統率する将を諸臣に諮る。兵部尚書陳寅は侍郎孫伝廷を推薦し、大学士范景文は孫伝廷が高齢で病中であることを懸念するが、陳寅は病状の回復を保証して推挙し、皇帝は許可する。
- 孫伝廷は病を押して兵部尚書・三辺督師万寇将軍を拝命し、七省の兵馬を統括して流賊討伐に赴く。夫人や公子の辞職の勧めも聞かず、家族を浙江の郷里へ帰し、出陣した。
四鎮総兵の招集と偵察
- 潼関に着いた孫伝廷は、潼関総兵白凱、薊遼総兵卜従善、四川総兵秦冀明、荊湖総兵牛咸虎の四鎮に召集をかけ、西安近郊に布陣する。
- 夜、地元の案内人に導かれて山に登り賊営を偵察。李双喜が黄陂県を屠り尽くした跡地や、欽天監楊成裕の手引きで掘り返された皇陵(地震で賊が転落し、宮殿樹木は無事だったという奇瑞)を目にして涙する。さらに賊営の残虐な様子(人肉を馬の飼葉桶に使う、生きた子供を的にするなど)を聞き、憤りを新たにする。険阻な七盤山・雙龍峡・伏虎嶺の地形を見て、ここで李闖を捕らえられると確信する。
七盤山の伏兵計
- 孫伝廷は夜露に当たり持病が悪化して帳を出られなくなるが、四鎮総兵が到着すると密かにそれぞれを呼び、白凱には「わざと敗れて賊を七盤山へ誘い込み、号砲を合図に伏兵で挟撃する」策を授け、他の総兵にも隘路を塞いで退路を断つ密計を与える。
誘い込みと決着
- 翌日、白凱は賊営に攻めかかり、李闖と数合切り結んだ後、命令通り偽って敗走。李闖は妻子を殺された恨みから追撃し、地形に慣れていることと白凱の兵の少なさを頼みに、全軍で七盤山へ攻め入ってしまう。