鐵冠圖全傳第十八回 西安城で殺星位を僭し、賀蘭山で魔寇誅に伏す (西安城殺星僭位 賀蘭山魔寇伏誅)

李闖の異変

  • 李闖が殿上で御座から転げ落ち、しばらくして目を覚ますと、龍袍と王冠を脱がせるよう命じる。脱ぐと頭のふらつきや目まいが治まった。李闖は「大順の卦と言ったのに、着ると冤鬼が殿中に満ちるようだ、帝位の福はないのか」と宋炯を責める。
  • 宋炯は「本来沖天冠・赭黄袍を着るべきところ、王爺の冠服を着たための怪異だ」ととりなし、李闖は旧服に戻して北京入城の後に改めて帝位に就くことにする。

鐵魔嶺への調略

  • 牛金星は延綏(李闖の故郷)にまだ帰順していない鐵魔嶺の郝鳴・屈龍という二人の頭目に手紙を送り、味方に引き入れて延安府を攻めさせ、李闖の祖墓を守らせる策を献じる。李闖は使者として王千子を送った。

王千子の露見

  • 王千子は樵に化けて米脂県を通過中、県知事の辺大綬に不審尋問され、体に隠していた李闖の書状が発覚。反賊の間諜として斬られる。
  • 辺大綬は延綏鎮総兵の陳奇瑜に密告し、陳奇瑜は将計就計で、心腹の将杜能を賊の使者に成りすまさせて鐵魔嶺の郝鳴・屈龍を延安攻めに誘い出す罠を仕掛け、賀蘭山の下に陥し穴を掘らせて待ち構えた。

賀蘭山の殲滅

  • 郝鳴・屈龍は八万三千の兵で賀蘭山に下り、陳奇瑜配下の張応昌の詐敗の計に乗せられて追撃、両夾山口で伏兵の擂木・大砲に襲われ、退路を失って陥し穴に落ちる。陳奇瑜・辺大綬・張応昌の挟撃で八万三千の賊兵は全滅し、鐵魔嶺の山寨も焼き払われた。

李闖祖墓の発掘

  • 辺大綬は帰路、李闖の書状に祖墓のことが書かれていたのを思い出し、李闖一族を捕らえて墓の所在を白状させ、披雲山で墓を掘り起こす。棺を開けると中から恐ろしい怪物が現れ、一同を驚かせた。

評語

  • この回は、李闖が僭称の兆しを見せながらも、天意に反すれば怪異が生じることを示し、鐵魔嶺の賊が計略に嵌まって全滅したことで、詭計を頼む者の末路を戒めている。