鐵冠圖全傳第十一回 木耳を売る賊星命に応じ、騾子天意に従い冤を訴う (販木耳賊星照命 順天心騾子鳴冤)

木耳商人を装う二賊

  • 陳永福は左良玉の計で賊を破った後、杞県の守りを固め、以前のような軽率な討伐は控えていた。
  • かつて杞県で討ち漏らした賊の頭目、苗人鳳(あだ名・一斗穀)と馮林(あだ名・瓦罐子)は小蒼山に隠れ、木耳(きくらげ)を買い付けに来る商人を脅して不正な口銭を取り立てていた。

李岩との出会いと共謀

  • ある日、木耳を買い付けに来た商人が二賊に絡まれ、自分は汴梁の李公子(李岩)だと名乗り一喝する。二賊は李岩と縁のある混天猴・苗六の名を出され、態度を一変させて詫び、酒宴でもてなす。
  • 李岩は、かつて李闖救援のために散財し、さらに張献忠に財産を奪われた事情を語り、生計のため木耳商いをしていると明かす。
  • 馮林は、山東から湖広の左良玉軍へ運ばれる軍餉十五万両を石榴溝で奪う計画を持ちかける。李岩はこれに乗り、手持ちの八百両を軍資として渡す。

略奪の準備と実行

  • 苗人鳳は牛金星を招き李岩に引き合わせる。牛金星は張献忠敗走の際に残された武器・馬を村人が隠し持っていることを教え、これを買い集めて武装を整える。
  • 李岩はさらに五百両を出し、五百余人の壮丁を集めさせる。牛金星は石榴溝の両岸に伏兵を配置し、合図の銅鑼で一斉に襲撃する手筈を整える。
  • 夕刻、軍餉を護送する官兵の一隊が石榴溝に入ったところで伏兵が襲撃し、護送兵を皆殺しにして十五万両を奪う。分配後、五万両は李岩の家へ届けられる。

官の探索と白騾の訴え

  • 護送の生き残りが杞県に急報し、知県・孔治中は現場を検分。騾夫の腰牌から身元を確認し、緝盗を厳命するが手がかりは得られない。
  • ある日、一頭の白騾が県庁に駆け込み、孔治中の前に跪いて哀鳴する。腰牌の記載と照合し毛色が一致することから、孔治中はこの騾に賊の行方を示すよう問いかけ、騾は頭を三度下げて応じる。
  • 差役が騾の後を追うと、李岩の家に行き着いたことが判明し、孔治中は李岩の捕縛を命じる。

捕縛の策略

  • 差役たちは李岩の屋敷の警備が固いことを案じ、副役の従弟・曹七を使って借金の返済名目で李岩を酒楼へ誘い出し、そこで一網打尽にする策を立てる。

評語

(本回に評語の見出しはなし)