鐵冠圖全傳第二十回 中軍府で一門節に死し、武帝廟で二臣忠を尽くす (中軍府一門死節 武帝廟二臣盡忠)
李闖、矢傷を負う
- 蔡懋德は城外に布陣する李闖の軍を見て、城壁で対話に応じる。李闖は降伏を勧めるが、蔡懋德は「私の話を聞くなら城壕近くまで来るように」と誘い、近づいた李闖の肩に矢が命中して落馬させる。
- 城門から応時中・牛勇が討ち取ろうと出撃するが、李雙喜・高迎祥らに阻まれ、蔡懋德が兵を出して城内へ収容する。
老神仙による治療と包囲の継続
- 賊陣に戻った李闖の傷は毒が回っており、宋炯は秘薬を操る「老神仙」(妊婦の胎児や処女の陰部を薬の引き物に使うという異能の医者)を呼び、三か月かけて治癒させる。
- その間、城は完全に包囲され、李岩の銃隊が要路に伏せて援軍を防ぐ。
牛勇の決死行と戦死
- 蔡懋德は牛勇に包囲突破と京への救援要請を命じる。牛勇は激戦の末、賊将・賈秦言を討ち、周超奎を退けて包囲を突破するが、脱出直後に大砲の一斉射撃を受けて非業の死を遂げる。
- 李岩が首級を持ち帰るが、宋炯は「首をさらせば城方の抵抗が強まる」として埋葬させ、代わりに城内の内応者(参将・張雄)を使った計略を進言する。
城内偽装と内通による陥落
- 賊軍はいったん撤退するふりをして別の城を攻めると見せかけ、蔡懋德は安心して城門を開き、住民の出入りを許すようになる。
- 老神仙が避難民に紛れて入城し、旧知の張雄と結託して裏切りの計略を固め、大風の夜に城内から放火して内応する手はずを整える。
- 三日後の四更、実際に大風が吹き荒れる中、按院(役所)の火災と巡撫・汪某の死、賊の侵入が次々に報じられる。
応時中と蔡懋德の最期
- 中軍府の火は実は応時中自身が放ったもので、賊の侵入と大勢の非を悟った応時中は、家族を池に沈めて辱めを避けさせ、自ら衙門に火を放って賊と巷戦し、多くの賊将を討ち取った。
- 力尽きた応時中は鎧を脱いで住民に紛れ、蔡懋德の行方を捜す。
- 武帝廟で捕らわれの蔡懋德を発見した応時中は賊を斬って救出し、二人は抱き合って再会を喜ぶ。応時中は放火の顚末を語り、蔡懋德は「事ここに至っては死あるのみ」と応じる。
- 二人は北(皇帝)を拝み、続いて関帝を拝んでから、共に梁に帯を掛けて自ら首をくくる。