鐵冠圖全傳第二十四回 皇都に上り監軍を賄賂し、新任に赴き総帥を軽んず (上皇都賄買監軍 赴新任驕輕總帥)

張獻忠、湖廣へ

  • 河南に駐屯する張献忠は李闖からの書簡を受け、翌年五月の北京進攻までの間、湖広を荒らし回ることを決め、諸頭目に出陣を命じる。

監軍・杜勛の着任と周遇吉との対立

  • 湖広の鎮守・左良玉は軍門・熊文燦と不仲で軍紀が緩み、張献忠に河南・湖広一帯を荒らされる。朝廷は賊の離間策にかかり、周遇吉を疑って東廠の宦官・杜勛を寧武関の監軍として派遣する。
  • 周遇吉自身は出迎えず旗牌官のみを寄越したため、杜勛は激怒してその旗牌官を杖罰に処す。
  • 着任の日、周遇吉は跪いて勅書を聞くが、その後は無言のまま虎皮の椅子に座り続け、杜勛から「監軍を軽んじている」と罵られる。周遇吉は激怒し、家丁を殴打された仕返しとして杜勛を威嚇し、椅子ごと転倒させ、公案(机)を叩き割って立ち去る。

杜勛と李忠(劉友)の内通

  • 恥をかかされた杜勛は腹心の李忠(実は賊将・草上飛劉友が変名して入り込んだ人物)に周遇吉を陥れる策を相談する。
  • 劉友は李闖への内通を勧め、杜勛の同意を得て李闖の贈り物を差し出す。杜勛は喜んで令箭を与え、偽って軍情を探らせる名目で李闖のもとへ送り返す。

馬耳山への誘い出し計画

  • 李闖は軍師・宋炯と謀り、自ら偽って敗走し周遇吉を馬耳山へ誘い込み、伏兵で包囲する計略を立てる。劉友を使って杜勛にも事前に手はずを伝える。
  • 杜勛は謝罪と称して周遇吉のもとを訪れ、和解を装う。周遇吉はこれを真に受けて客礼で迎え、翌日は監軍府での酒宴に招かれる。
  • 酒宴の最中、賊襲来の報が届き、杜勛は出陣を渋る周遇吉を煽り、自らも出城して観戦する構えを見せる。

深追いと伏兵への突入

  • 周遇吉は李闖と数合戦い、賊を圧倒して敗走させる李闖を十余里も追撃する。周囲の将は深追いを諫めるが、周遇吉は聞き入れず、杜勛への増援要請だけを命じる。
  • 杜勛は増援要請を退け、「元帥の手柄を横取りするわけにいかない」と称して兵を退き、城に籠る。
  • 焦った諸将は自ら周遇吉に合流して追撃を続け、ついに馬耳山中へと踏み込んでいく。