鐵冠圖全傳第三回 烈婦黄堂に死して身を捨て、小姐馬に驚き父を認む (死黃堂烈婦捐軀 驚坐馬小姐認父)
閻蕊英姉弟の悲劇
- 周二姐に問い詰められた少女は、涙ながらに身の上を語る。自分は閻蕊英、弟は玉哥。開封府祥符県の出身で、父・閻法が米脂県知事に着任したため、母・陳氏とともに任地へ向かった。
- しかし出迎えの者に騙されて賊の巣窟である県庁に連れ込まれ、父の姿はなく、賊が酒宴を開いていた。事の次第を知った母は賊を罵り、辱めを受けそうになると石の欄干に身を投げて自害した。
- 姉弟は泣き伏したが、賊の頭目に奴僕として周二姐のもとへ連れて来られたのだった。
周二姐の策略
- 蕊英の美貌に嫉妬した周二姐は、李自成に見初められることを恐れ、蕊英を亡き者にしようと画策する。表向きは慈悲深く振る舞い、姉弟を家に帰すと偽って、配下の虎十に密命を与えた。
- 虎十は姉弟を城外へ連れ出し、山中の谷間で殺害しようとしたが、突如現れた白額の猛虎が虎十に襲いかかり、姉弟は難を逃れた。
蕊英の自害未遂と父との再会
- 恐慌のあまり気を失っていた蕊英は正気に返ると、弟の姿がなく血の跡だけを見つけ、弟が殺されたと思い込み絶望する。骨肉離散し身を寄せる術もないと悟り、松の木で首を吊ろうとしたところを、通りかかった老樵夫に助けられた。
- 樵夫夫婦の家に匿われ、しばらく過ごすうちに、ある日門前で落馬した長髯の役人に出会う。それは実の父・閻法であった。
- 蕊英は父に一部始終を語り、閻法は妻子が惨死し自分だけ生き延びたことを恥じ、深い井戸へ身を投げようと駆け出した。老樵夫夫婦と蕊英が追いすがるが間に合わず、閻法の生死は次回に持ち越される。