鐵冠圖全傳第三十四回 姜参謀計を用い賊を破り、黄総帥兵を率い糧を求む (姜參謀用計破賊 黃總帥提兵索糧)

李岩・陳永福軍の北上

  • 湘王を装って賊営に入った知県・包希を得た李岩は、闖王の令箭により陳永福軍と合流し、河南から北京を目指して真定・大名などを攻略した。道中では多くの忠臣義士・節婦烈女が命を絶ったが、詳述は省く。

黄得功、勤王へ向かい熊彪と戦う

  • 湖広で張献忠と戦っていた総兵・黄得功は、李闖が北京近郊に迫り真定・大名が陥落したとの急報を受け、張献忠を捨てて勤王のため北上した。
  • 剪子坡で行く手を阻む賊将・熊彪(渾名青眼狼、張献忠配下)と遭遇し、一騎打ちで撃退した。熊彪は敗走して自陣に戻った。

姜憲との出会いと夜襲の成功

  • その夜、黄得功が巡営していると賊営に火の手が上がり、混乱に乗じて撃って出た。
  • そこへ淮陽経略・史可法が差し向けた謀士・姜憲(天文地理・兵法に通じる)が、護衛百名とともに現れ、賊営を夜襲していたことが判明する。青眼狼はこの混戦で討死した。
  • 黄得功と姜憲は意気投合し、本営で対面。姜憲は史可法の書状を届け、以後黄得功の陣に加わることになった。

姜憲の占星と張献忠の劫営失敗

  • 姜憲は張献忠の追撃を警戒するよう進言。探索の結果は異常なしだったが、姜憲はなお用心を怠らなかった。
  • 夜、姜憲は天文を占い、明朝の命運が尽きつつあり東北(遼東)に真命の主が現れる兆しだと述べた。折しも西南から現れた彗星が本営を白気で覆い、これは今夜の劫営の予兆だと告げた。
  • 黄得功は諸将に伏兵を命じ、自らは空営を残して林中に潜んだ。
  • 果たして張献忠は夜襲を仕掛けたが、もぬけの殻の本営に気づき撤退しようとして自軍同士が衝突・混乱。信火を合図に伏兵が四方から突撃し、賊軍は大敗、張献忠は数百の残兵とともに西南へ落ち延びた。
  • 追撃は暴風雨のため断念となったが、黄得功は姜憲の妙算を称賛した。姜憲は「天意ではなく民の劫数が尽きていないだけ」と謙遜した。後日談として、張献忠はのちに四川で暴虐を働き、順治年間に討たれることになる。

糧草の催促

  • 黄得功は北上を続け通口鎮に至ったが、軍中の糧草が尽きた。姜憲の献策により、彰德府へ火牌を送り数日分の兵糧を催促することとなり、使者を派遣した。