鐵冠圖全傳第三十二回 流賊懐慶府を包囲し、李岩鮑三剛を謀る (流賊兵圍懷慶府 李岩計算鮑三剛)

懐慶府への進軍と包囲

  • 李岩・高迎祥ら流賊五万は宣府から南下し、平陽を経て懐慶府へ迫る。行く先々で略奪を重ね、民は生活の術を失う。
  • 報を受けた湘王(万暦帝の孫で崇禎帝の従弟、名は由樸。もとは開封の藩王だったが水害で懐慶に移った)は、知府・劉民敬と副将・鮑三剛に籠城の指揮を命じる。城は三日三晩固く守られ、賊は攻めあぐねる。

李岩、反間の計を案じる

  • 李岩は捕らえた村人から、鮑三剛が忠義で民に慕われ、張献忠の勧誘も拒んだこと、劉知府が清廉ながら疑い深く民に厳しいことを聞き出す。
  • 鮑三剛の出身地・榆林が味方の高迎祥と同郷であることに目をつけ、離間の計を思いつく。高迎祥に鮑家の事情を問い、父・鮑文の名で偽の内通書を作らせる。

偽書、城内へ射込まれる

  • 李岩は自ら城の様子を探り、知府・知県のいる北門へ矢文を放つ。城兵はこれを拾い、劉知府に届ける。
  • 書状には、鮑三剛が高迎祥と通じて内応するよう促す内容が記されていた。

疑心の劉知府と諫める知県

  • 劉知府はこれを真に受けて驚き、直ちに鮑三剛を捕らえるべきだと知県・包希に告げる。包希は筆跡や宛名の不自然さを指摘し、偽書ではないかと慎重を促すが、劉知府は聞き入れず、証拠として押し切り、共に湘王のもとへ訴え出る。
  • 湘王は差し出された書状を初めから終わりまで読み進める。