帝王略論卷五 宇文護
宇文護の評
- 公子は、宇文護が二人の帝を廃殺しながら自らの身を全うしようとし、しかし臣としての節を全うできず、ついに一族滅亡に至ったが、その心跡・逆順はどうであったかと問うた。
- 先生は答えた。宇文護は、晋の里克や宋の謝晦と変わるところがない。この三人はいずれも一時の功業に優れ、勢いは天下を傾けるほどであり、望めば帝位を奪うだけの力は十分にあった。しかし当初は本当に国を保ち身を全うし、静かに天寿を全うして子孫に徳を残し、それまでの過ちを償おうとしていた。それゆえ里克は「廃することがなければ、どうして興ることがあろうか」と答え、謝晦は上表して「耿弇は賊に君父を害されるのを許さなかった、自分に宋室への負い目があろうか」と述べた。この言葉にこそ、彼らの本心が表れている。ただ、この三人の才は伊尹・霍光に及ばなかったため、その美事を全うできなかったのである。その本来の志を突き詰めれば、そのとおりであったに違いない。