帝王略論卷二 偽新王莽
史論
或る人が「偽新の王莽を見るに、己に克ち身を修め謙虚で礼譲に篤かった。一代の名士と呼べるのではないか。それなのに宰相となり尊位に就くと驕り高ぶり淫らで暴虐になった。前後でこれほど異なるのはなぜか」と問うた。虞世南は次のように答えた。王莽は生まれつき残忍で人を欺く者であった。志を得ない間は名を求め誉れを求めていたが、志を得たのちは能を誇り物を見下した。取り繕った気配りが尽きたとき、本来の性質が現れたのである。諫めに背き自ら高しとして、ついに改めることなく、天下を冤罪と酷刑で満たし、結局は光武帝のために道を切り開く者となった。