說唐第六十回 紫金関で二王は計略を巡らし、羅成は淤泥河で命を捧げる (紫金關二王設計  淤泥河羅成捐軀)

建成・元吉の出陣と魚鱗関失陥

魚鱗関からの急報を受け、殷斉二王(建成・元吉)は自ら志願して十万の兵を率い出陣する。しかし劉黑闥・蘇定方の前に王九龍は討たれ、建成・元吉も負傷して敗走、魚鱗関を失い紫金関へ逃れる。

紫金関の守将・馬伯良の奸計

紫金関の守将・馬伯良(劉文靜の妻の兄弟だが酒色に溺れる人物)は二王を歓待しつつ、姉婿の劉文靜を陥れる機会をうかがう。馬伯良は二王に「自分が勝ったと偽って奏上し、援軍として腕の立つ将を呼び寄せよ」と入れ知恵し、二王は長安へ戻る。

羅成、密かに長安へ

一方、秦叔寶は病を得て秦王を案じ、羅成が商人に扮して長安へ秦王を見舞いに向かう。しかし秦叔寶の書状を家に置き忘れ、旅籠に投宿したところを建成・元吉に見つかってしまう。二王は高祖に「羅成を先鋒として起用すべき」と進言し、羅成はやむなく先鋒印を受け紫金関へ赴く。

羅成、劉黑闥・蘇定方と交戦、二王の理不尽な処遇

羅成は劉黑闥と一騎打ちで優勢に立つが、蘇定方の矢を受けて負傷し取り逃がす。二王は戦果不十分だとして羅成を斬ろうとし、馬伯良のとりなしで死罪は免れるものの四十棍の杖刑を受け、傷だらけになる。それでも羅成は忠義を貫くと言い張り、家臣・羅春の勧めにも帰郷しようとしない。

劉黑闥の猛攻と羅成の奮戦、淤泥河での戦死

劉黑闥は羅成が処罰されたと知り猛攻をかけ、二王は傷を負ったままの羅成を出撃させる。羅成は単身で敵陣に切り込み十八人を討ち取る大戦果を挙げるが、空腹と傷の痛みの中、二王には冷たくあしらわれる。蘇定方は羅成を「淤泥河」という泥沼へ誘い込む計略を立て、劉黑闥を囮に羅成を追わせる。羅成は淤泥河に馬もろとも沈み込み、伏兵の矢を浴びて命を落とす。