說岳全傳第四十四回 梁夫人は鼓を撃ち金山で戦い、金の兀朮は敗れ黄天蕩へ逃げる (梁夫人擊鼓戰金山 金兀朮敗走黃天蕩)
生け捕りは影武者だった
- 韓世忠が捕虜を引き出させると、それは兀朮本人ではなく身代わりの金将・黄柄奴であった。韓世忠は無名の雑兵を斬っても仕方ないと後営に監禁させ、韓彦直には「金蟬脱殻の計」に嵌められたと戒めた。
梁夫人の献策
- 兀朮が糧秣不足に焦って渡江を急ぐと読んだ梁夫人は、韓世忠に軍を二手に分ける策を提案する。韓世忠が游兵を率いて追撃を担当し、梁夫人自らは中軍水営を指揮し、桅の上から太鼓と旗で全軍に合図を送るという策であった。韓世忠は感服してこれに従う。
金山の戦い、梁夫人の采配
- 定刻、梁夫人は自ら大檣の頂の物見に登り、太鼓と旗で敵軍の動きを全軍に伝える指揮を執った。後世これを称える詩が残る。
- 兀朮は夜陰に紛れて渡江を試みるが、宋軍は静かに待ち構えて一斉に砲撃、梁夫人の太鼓の合図に応じて韓世忠父子が三方から追撃し、兀朮は黄天蕩へ敗走する。
黄天蕩は袋小路
- 黄天蕩は行き止まりの水路であることを知らぬまま逃げ込んだ兀朮を、韓世忠は江口を塞いで兵糧攻めにすることに決める。
- 帰陣した韓世忠は諸将の功を労い、龍虎大王を生け捕りにしたこと、何黒闥を討ち取ったことなどを記録させ、捕虜たちを処刑して晒し首とした。
韓世忠、金山で月見と『満江紅』
- 大勝に気をよくした韓世忠は梁夫人を伴い金山で月見の宴を開く。梁夫人は「兀朮は智勇に優れる、油断すれば後患となる」と諫め、韓世忠もこれを容れつつ、剣を抜いて舞い『満江紅』の詞を吟じた。
兀朮、和議を求めるも拒絶される
- 黄天蕩に追い詰められた兀朮は漁師から袋小路であることを知らされ絶望する。軍師・哈迷蚩の勧めで和議を申し出るが、韓世忠は使者の耳鼻を削いで送り返し一蹴した。
- 力攻めも守りが固く突破できず、兀朮は榜文を掲げて策を募ったところ、一人の秀才が「この囲みを解く策がある」と名乗り出た。