說岳全傳第35回 九宮山で軍糧を運び盗賊に遭い、樊家荘で鹿を争い婚姻を結ぶ (九宮山解糧遇盜 樊家莊爭鹿招親)

(詩:昔日の律法にはよらず盗跖の道を行くがごとく、山賊が兵糧を蓄えて戦に備える様を詠む)

九宮山の董先、糧秣を阻む

  • 九宮山の頭目・董先とその四人の義兄弟(陶進・賈俊・王信・王義)が、岳飛軍の糧秣を運ぶ謝昆の隊を阻む。董先は謝昆の老齢に免じて糧秣を奪わず、代わりに岳飛本人との一騎討ちを要求する。
  • 岳飛の命で施全が救援に向かうが、董先の月牙鏟に敗れて敗走する。

張憲との出会いと董先の降伏

  • 敗走中の施全は、狩りに出ていた若き武将・張憲と出会う。張憲は金陵の元大元帥の孫で、祖父の命で岳飛への出仕を目指していた。
  • 張憲は董先と一騎討ちし圧倒、董先配下の陶進ら四人はもと張氏配下の旧知であったため、董先を説得して岳飛への帰順をまとめる。董先一党は山寨を焼き払い投降する。

湯懷・孟邦傑、鹿を追って樊家荘へ

  • 別働の湯懷・孟邦傑は糧秣輸送中に狩りをし、射止めた鹿を女武者二人に横取りされる。追いかけて交戦になるが、女将たちの父・樊瑞(元総兵、隠棲中)が仲裁に入る。
  • 樊瑞は湯懷・孟邦傑の身の上(家族を失い妻がいないこと)を聞き、夢占い(虎が鹿を追う夢)を吉兆として二人の娘をそれぞれ嫁がせることを提案、その場で祝言が調う。
  • 樊瑞の息子・少年武将の樊成も加わり歓待を受ける。三日後、湯懷・孟邦傑は義父母に別れを告げ軍務に戻る。

岳飛、諸将の遅参を許す

  • 董先ら五人、張憲、続いて湯懷・孟邦傑が合流し、岳飛は「臨陣招親」の禁をすでに解いていたことから両名の遅参を不問に付す。

棲梧山の何元慶との対峙

  • 岳飛は棲梧山に迫り、何元慶と一騎討ちの問答となる。何元慶は岳飛の武名を認めて降伏の意はあるものの、二人の家将が頑として応じないため決断できずにいると明かす。岳飛はその家将に会わせるよう求める。