說岳全傳第二十一回 宋の高宗は金陵で帝位に即き、岳鵬挙は地を画して交わりを絶つ (宋高宗金陵即帝位 岳鵬舉劃地絕交情)
(詩:胡馬の南下で宋の社稷が荒れ果てる中、夾江の泥馬伝説と金陵での中興の始まりを詠む)
崔府君廟での発見
- 夾江近くの磁州豊丘県の知県・都寛は、夢で崔府君のお告げを受け、茶夫・蔡茂の案内で崔府君廟を訪れる。神厨の帳を開けると康王が目を覚まし、互いに素性を明かして正式に迎えられる。
金陵での即位
- 王淵・張所ら諸将も同様に夢のお告げを受けて馳せ参じる。張所の進言で、荒廃した汴京を避け、要衝である金陵(南京)に都を定めることになる。
- 康王は金陵で即位し、高宗と称し建炎と改元、大赦天下の詔を発して四方に勤王を呼びかける。李綱・宗澤ら旧臣も次々と参集する。
徐仁の忠義と岳飛の推挙
- 湯陰県知県・徐仁は、飢饉の中で私財も惜しまず糧米千石を集めて金陵へ運ぶ。取次の中軍官に賄賂を軽んじられ邪険にされるが、太鼓を打ち鳴らして直談判し、王淵元帥に謁見する。
- 徐仁の清廉さに感心した王淵は、彼を通じて岳飛の存在を知り、朝廷に推挙することを決める。高宗は詔書と礼物を徐仁に託し、岳飛を招聘するよう命じる。
岳飛一家の困窮
- その頃、岳飛の周辺では疫病が流行し、王員外夫妻・湯員外夫妻が相次いで病没する。飢饉も重なり、牛皋は生活苦から不正な手段に手を染めるようになり、これを諫めた牛安人は憤死してしまう。
- 岳飛自身も貧窮に苦しみ、偶然見つけた占い書に「二十三歳で大成する」とあるのを見て嘆くが、母・姚安人や妻・李氏、息子・岳雲に諭され思いとどまる。
兄弟たちとの決別
- ある日、牛皋・王貴ら義兄弟たちが甲冑を身にまとい、不正な稼ぎ(山賊まがいの行為)に出かけようとしているのを岳飛が見咎める。再三諫めるが、飢えと寒さに耐えかねた彼らは聞き入れず、岳飛は槍で地面に線を引き「今日限りで縁を切る」と宣言して別れる。
- 兄弟たちが去った後、岳飛は独り家で慟哭する。母に諭され気を取り直したところへ、見知らぬ若い男が訪ねてくる。