說岳全傳第二十回 金の陣営で神鳥が真主を導き、江を挟み泥馬が康王を渡す (金營神鳥引真主 夾江泥馬渡康王)
(古風詩:胡馬が南下し宋の国運が衰える様、忠義の士が尽きても天が宋室の再興を助け、金陵に真主が現れることを詠む)
崔孝、康王の従者となる
- 崔孝は番の見張りに弁明して罰を免れ、以後も康王の消息を探り続ける。
- 兀朮は再び南征し(二度目の中原侵攻)、潞安州・両狼関・河間府を経て黄河へ至る。道中、陸登や梁夫人の忠義の逸話を語り聞かせる。
- 七月十五日、北方の祖先祭祀の際、康王の弓が落ちたのを崔孝が拾って差し出し、中原の訛りから素性を明かす。兀朮は崔孝を気に入り、康王の世話係とする。
神鳥の導きと逃走
- 血の詔書を託された崔孝は、隙を見て康王に二帝の血詔を渡す。折しも五色の怪鳥(鵔鸃)が現れ「趙構、今逃げねばいつ逃げる」と鳴く。兀朮に問われた康王は機転を利かせて誤魔化すが、内心では吉兆と受け止め、弓で鳥を射ると鳥は矢をくわえたまま飛び去る。
- 康王は馬でその鳥を追い、崔孝も後を追う。兀朮は当初気にも留めなかったが、陣営が荒らされたと聞き自ら追跡し、逃げる康王の馬を矢で射て落馬させる。
泥馬、夾江を渡る
- 窮地に陥った康王の前に見知らぬ老人が現れ馬を与える。康王はその馬に乗り夾江まで逃げるが、追ってきた兀朮の目前で馬もろとも川に飛び込む。神の加護により兀朮の目には康王の姿が見えなくなり、追跡を諦める。崔孝はその場で自刃していた。
- 実際には馬は水面を渡り、対岸の林で康王を降ろして走り去る。康王が辿り着いたのは「崔府君神廟」で、中には濡れた泥馬の像があり、それが自分を渡してくれた馬だったと悟った途端、像は崩れ落ちる。康王は神に感謝の誓いを立て、廟の中で眠りにつく。