說岳全傳第十八回 金の兀朮は氷結を利用し黄河を渡り、張邦昌は奸謀で社稷を傾ける (金兀朮冰凍渡黃河 張邦昌奸謀傾社稷)
(詩:北方の胡風が吹き荒れる中、宮廷内に巣食う奸臣を糾弾できぬもどかしさを詠む)
岳飛不参陣の報
- 宗澤の使者が湯陰県から戻り、「岳飛は病で動けず、他の者たちも彼のそばを離れようとしない」と報告する。宗澤は天が宋室を見放したかと嘆く。
張保の夜襲
- 兀朮は船を建造し黄河を渡ろうとするが、李綱配下の勇士・張保が夜陰に乗じて単身で対岸に渡り、番兵を捕らえて情報を聞き出した上、造船場と敵陣を襲撃して大きな損害を与える。李綱は軍令違反として叱責しつつも内心その働きを認める。
黄河凍結と渡河
- 八月にもかかわらず異例の寒波が襲い、黄河が凍結する。軍師哈迷蚩はこれを吉兆と見て渡河を進言し、兀朮は凍った黄河を渡って一気に南岸へ攻め込む。
- 宋軍は冬装備がなく総崩れとなり、李綱・宗澤は退却を余儀なくされる。朝廷は二人を「黄河を守れなかった罪」で庶民に落とす。二人は奸臣の専横に憤りつつも、いったん帰郷することにする。
汴京包囲と和議の偽装
- 黄河解凍後、兀朮は汴京近郊に布陣する。張邦昌は「金への贈り物で和睦を図る」ことを提案し、自ら使者となる。しかし贈られた財宝や美女は途中の番将(黒風高、烏国龍・烏国虎ら)に横取りされ、彼らはそのまま本国へ引き上げてしまう。
- 三度にわたる贈り物の末、ようやく兀朮本人のもとへ届き、兀朮は張邦昌を「楚王」に封じて内応させる。
張邦昌の裏切りと人質要求
- 張邦昌は兀朮に、宋の後継を絶つため皇族を人質に取るよう進言する。欽宗は趙王(十五歳)を人質として差し出すことを決め、新科状元・秦檜が付き添う。
- 番将・蒲蘆温の乱暴な扱いにより趙王は恐怖で急死してしまう。兀朮は激怒するが、事の次第を知った秦檜をそのまま金営に留め置く。