說岳全傳第十三回 昭豊鎮で王貴は病に伏し、牟駝岡で宗沢は敵陣を踏み荒らす (昭豐鎮王貴染病 牟駝岡宗澤踹營)
(詩:旅先で得た旧友との縁が、王貴の病により宗澤の単身突撃を招いたことを詠む)
岳飛らの帰郷と宗澤の失職
- 岳飛たちは留守衙門の前で拝礼し、感謝を述べて故郷へ帰る旅に出る。宗澤は柴桂殺害の責を一身に負わされ、朝廷により官職を剥奪される。
- 宗澤は岳飛の才を惜しみ、家財道具を携えて自ら追いかけ、道中で追いつく。
昭豊鎮での再会
- 岳飛たちは宗澤の失職を知り恐縮するが、宗澤は「これで気楽になれる」と意に介さない。一同は諫議大夫・李綱の花園に一泊し、酒宴を開く。
- 宗澤は岳飛に自分の甲冑一式を贈り、「功名が遂げられずとも腐らず、親孝行に努め文武の鍛錬を怠るな。奸臣が失脚すれば必ず推挙する」と諭す。
王貴の急病
- 牛皋・王貴は空腹のあまり塩気の強い料理を食べ過ぎ、冷たい茶を大量に飲む。翌朝出発後、王貴が突然落馬し人事不省に陥る。
- 牛皋が腹をもんで排便させると、食あたりだったことが判明し、王貴は徐々に回復する。一行は近くの昭豊鎮の宿「方老実」方に留まり、医者に診てもらいながら静養する。
王善の挙兵と朝廷の混乱
- 太行山の賊将・金刀大王王善は、柴桂の死と宗澤の失脚を好機と見て挙兵し、汴京に迫る。朝廷は動揺し、諫議大夫・李綱の進言で宗澤の復職が決まる。
- 張邦昌は自分の罪が露見するのを恐れ、共犯の王鐸を先に告発して投獄させ、後で救い出す算段をする。宗澤は復職して五千の兵のみを与えられ出撃する。
牟駝岡での単騎突撃
- 宗澤は牟駝岡に布陣するが、敵軍は四、五万と兵力差が圧倒的だった。息子の宗方に「自分が単騎で敵陣へ突入し、勝てば呼応して攻めよ、敗れれば城へ戻って母を守れ」と言い残し、単身で王善の陣へ斬り込む。
- 敵兵をなぎ倒しながら奮戦するが、王善は「宗澤を味方に引き入れれば天下取りに有利」と考え、殺さず生け捕りにするよう全軍に命じる。宗澤は幾重にも包囲されてしまう。