說岳全傳第十回 大相国寺で暇に評話を聴き、小校場でひそかに状元の座を争う (大相國寺閑聽評話 小校場中私搶狀元)

牛皋、小校場へ駆けつける

  • 牛皋は楊再興・羅延慶の会話を盗み聞き、「状元を横取りされてはたまらない」と焦って宿へ戻る。仲間はまだ眠っており、事情を告げずに自分の馬と双鐧を持って一人で小校場へ向かう。
  • 道を尋ねる際、無礼な態度で老人に怒鳴りつけ、呆れられながらも道を教えられる。

牛皋対楊再興・羅延慶

  • 小校場に着くと、楊再興・羅延慶が槍を交えて稽古をしていた。牛皋は「状元はうちの兄貴のものだ」と割り込み、鐧で殴りかかるが、二人がかりで軽くあしらわれ、防戦一方になる。
  • 二人は牛皋を見逃さず、力量を試して楽しむようにわざと痛めつけずに翻弄する。牛皋は「兄貴が来なければ状元を取られる」と叫び続ける。

岳飛の登場と敗槍の技

  • 宿で目覚めた岳飛は牛皋の不在に気づき、武器も持ち出されていることを知って急いで追う。途中出会った老人から道を聞き、小校場に駆けつける。
  • 岳飛は牛皋を助けるべく参戦し、二人の槍を同時に叩き落とす「敗槍」という技で圧倒する。楊再興・羅延慶は岳飛の実力を認め、「今科の状元はお譲りする、いずれまた会おう」と名乗って立ち去る。
  • 牛皋は「自分が兄のために状元を奪おうとしたのだ」と弁明するが、岳飛は「状元は天下の英雄と正々堂々競うもので、私闘で奪うものではない」とたしなめる。

剣を求めて

  • 翌日、湯懐・張顕・王貴が剣を持っていないことを気にし、岳飛を誘って剣を買いに出る。大通りの刀剣店では良い品が見つからず、裏通りの骨董店に入る。
  • 店主は良い剣は自宅にあると言い、弟に案内させる。案内された屋敷で、五人は上品な身なりの若者と対面する。

周三畏との出会い

  • 若者は名を尋ねられると先に岳飛らの姓名を問い、岳飛が名乗ると「お噂はかねがね」と応じる。対聯の内容(唐の李晋王が周徳威に贈った句)から、岳飛は相手が周姓であると見抜く。
  • 若者は名を周三畏と名乗り、家宝の剣を持ってくる。岳飛が刃を少し抜いただけで凄まじい迫力に気づき、価格の話を持ち出さずに引き下がろうとする。
  • 周三畏は「先祖の遺言で、この剣の由来を言い当てられる者にだけ無償で譲るように言われている」と明かし、岳飛にその由来を語るよう求める。岳飛は自信なさげにしながらも、剣の来歴について語り始める。