三十六計擒賊擒王
- 要旨: 敵の主力を摧き、その首魁を捕らえることで、敵全体を瓦解させる計略。
計の要点
- 「摧其堅、奪其魁、以解其體」として、敵の堅固な部分を摧き、その頭目を奪えば、組織全体が解体するとする。
按語の補足
- 勝ちを収めても利を取り尽くさず、小を取って大を逃せば、それは兵卒の利にはなっても将帥にとっては損失であり、攻めとしても不十分だとする。勝っていながら堅塁を摧かず首魁を捕らえないのは、虎を野に放つに等しいとする。
- 敵の首魁を見極めるには、旌旗の見た目だけで判断せず、陣中の指揮の中心となる動きを観察すべきだとする。
- 唐の張巡が尹子奇と戦った際、敵陣深くに突入して大混乱を起こし、敵将五十余人・兵五千余人を討ち取った。尹子奇その人を射ようとしたが顔を知らなかったため、蒿の茎を矢に見せかけて射たところ、命中した兵が「張巡の矢が尽きた」と喜んで報告し、その隙に南霽雲に本物の矢で射させて尹子奇の左目に命中させ、あと一歩で捕らえるところまで追い詰めたという(安史の乱、757年頃)。