三國演義第四十六回 奇謀を用い孔明は矢を借り、密計を献じ黄蓋は刑を受ける (用奇謀孔明借箭   獻密計黃蓋受刑)

孔明の先読みと周瑜の警戒

  • 魯粛が孔明を探ると、蔡瑁・張允の死を的中させていたことが露見し、周瑜は改めて孔明の排除を決意する。「表向き公正に」殺す機会を狙う。

十万本の矢の借用

  • 周瑜は水戦に矢が必要だとして、孔明に十日で十万本の矢を作るよう命じる。孔明はあえて「三日で足りる」と申し出て軍令状を書き、周瑜は資材の手配をわざと遅らせて孔明を陥れようとする。
  • 孔明は魯粛に頼み、二十隻の船・青布の幔幕・藁束を密かに用意させる。
  • 三日目未明、深い霧に紛れて船団を曹操の水寨近くまで進め、太鼓と喚声で攻撃と見せかける。(「大霧垂江賦」で霧の情景を描写)
  • 曹操は伏兵を警戒して弓弩隊に矢を射させるだけで応戦せず、船の藁束に十万本以上の矢が突き刺さる。孔明は日が昇り霧が晴れる前に船団を引き上げ、労せずして矢を得る。
  • 周瑜はこの神算に感嘆しつつ、なお警戒を解かない。

火計の一致

  • 周瑜と孔明はそれぞれ密かに「火」の一字を手のひらに書いて示し合い、火攻めの方針で一致する。
  • 矢を失った曹操は荀攸の献策で東呉に偽装内通者を送り込むことにし、蔡瑁の一族である蔡中・蔡和を偽って降伏させる。周瑜はこれを見抜き、逆用して偽情報を流す道具として甘寧に監視させる。

苦肉の計

  • 黄蓋は自ら志願して火攻めの実行役を申し出、周瑜はこれを了承し、皆の前でわざと黄蓋に因縁をつけて激しく鞭打つ「苦肉の計」を実行する。
  • 孔明は魯粛にこの計略を見抜いていることを告げつつ、周瑜には気づかれないよう振る舞う。
  • 傷ついた黄蓋のもとへ参謀の闞澤が見舞いに訪れ、計略を察して自ら曹操への偽降伏の使者役を買って出る。