梁書卷四十七 列傳第四十一 荀匠

荀匠

  • 字は文師、潁隂の人。晉の太保・荀朂の九世孫。祖父の瓊は十五歳で父の仇を成都の市で討ち孝で知られた。父の法超が官中に没すると、匠は号泣して気絶し体が冷えきったが夜に蘇生、喪を迎えに行った。
  • 兄の斐が鬱林太守として賊討伐中に矢に当たり戦死すると、匠は喪を迎えるため舟から水に身を投じかけ、周囲に救われた。貧しさから葬儀を時に行えず、父の喪と兄の喪を通じ四年廬に籠り、髪を結わず梳らず抜け落ち、哭泣で目もただれ、家人にも見分けがつかぬほど衰えた。
  • 郡県の上奏により高祖は中書舎人を遣わして服を釈かせ、豫章王国左常侍に抜擢したが、なお哀毀は甚だしかった。外祖父の孫謙が「主上が孝治を布くにあたり汝の行いは古人を超えたゆえに抜擢されたのだ、これは君父の命であるとともに後世に名を揚げることでもある」と諭し、匠はようやく拝命したが、結局哀毀のあまり家で没した。享年二十一。