大安三年(1087年)
- 正月: 乙卯、魚児濼に幸す。甲戌、銭粟を出して南京の貧民を振済し、その租賦を免ずる。己卯、大雪。
- 二月: 丙戌、粟を発して中京の饑を振済する。甲辰、民の多くが流散するため安泊逃戸徴償法を廃止する。
- 三月: 乙卯、高麗が使者を遣わし来貢。己未、錦州の貧民の租を一年免じる。甲戌、上京の貧民の租を錦州同様に免じる。庚辰、女直が良馬を貢する。
- 夏四月: 戊子、中京の貧民に帛を賜い、諸路の貢輸を半分免じる。丙申、威烏爾古部の貧民に帛を賜う。庚子、涼陘に幸す。甲辰、南府宰相王績が薨ずる。乙巳、戸部司の粟を出して諸路の流民および義州の饑を振済するよう詔する。
- 五月: 庚申、海雲寺が済民銭千万を進める。
- 秋七月: 丙辰、黒嶺で狩猟。丁巳、雑帛を出して興聖宮の貧民に賜う。庚午、大雨により狩猟を罷める。丁丑、秦越国王阿林が薨ずる。
- 九月: 乙丑、錫里済に駐蹕。
- 冬十月: 庚辰、参知政事王経を三司使とする。壬辰、節度使以下の官が珍玩を進めることを罷める。癸卯、秦越国王阿林を秦魏国王に追封する。
- 十一月: 甲寅、特哩衮耶律坦に南京留守事を同知させ、遼興軍節度使耶律旺玖を南府宰相とする。
- 十二月: 己卯朔、枢密直学士呂嗣立を参知政事とする。
大安四年(1088年)
- 正月: 庚戌、混同江に幸す。甲寅、太白が昼に見える。甲子、五国部長が来貢。庚午、上京の逋逃および貧戸の税賦を免じる。甲戌、上京・南京の饑により良人の自鬻を許す。丁丑、西京の役徒を曲赦する。
- 二月: 己丑、魚児濼に幸す。甲午、春州の役徒を曲赦し終身の者は皆五歳で免ずる。己亥、春州に幸し泰州の役徒を赦す。
- 三月: 乙丑、高麗の歳貢を免じる。己巳、上京および平・錦・来三州の饑を振済する。
- 夏四月: 己卯、蘇・吉・復・淥・鉄五州の貧民を振済しその租税を免ずる。甲申、慶州の貧民を振済する。乙酉、諸路の常貢の服御物を減じる。丁酉、粟を入れて官を補う法を立てる。癸卯、西幸し枢密直学士耶律儼を召し尚書洪範を講じさせる。
- 五月: 辛亥、燕国王延禧に尚書五子之歌を書写させる。乙卯、祖州の貧民を振済する。丁巳、役徒で終身の者は五歳で免ずるよう詔する。己未、春州の貧民を振済する。丙寅、私に水を引いて田を犯すことを禁ずる。
- 六月: 庚辰、散水原に駐蹕。丁亥、燕国王延禧に中丞司事を知させ、同知南院枢密使事耶律聶哷に右伊勒希巴事を知させ、耶律納延に南院枢密使事を同知させ、北院枢密使耶律仏徳が致仕。
- 秋七月: 戊申、奉聖州の役徒を曲赦する。丙辰、使者を遣わし李乾順を夏国王に冊す。庚申、秋山に幸す。己巳、銭が境外に出ることを禁ずる。
- 八月: 庚辰、有司が宛平・永清の蝗が飛鳥に食われたと奏する。庚寅、慶陵に謁する。
- 冬十月: 丁丑、遼水の浜で狩猟。己卯、藕絲淀に駐蹕。癸未、百姓の貸した官粟を免じる。己丑、北院枢密使事を知る耶律阿蘇を漆水郡王に封じる。癸巳、伊実大王耶律廸里に西北路招討使事を知させ、権知西北路招討使事蕭休格に伊実大王事を知させる。壬寅、諸部長官が親ら獄訟を鞫問するよう詔する。
- 十一月: 庚申、興中府民張化法がその父兄の盗罪により死に当たるところを代死を請い、皆免ぜられる。
- 十二月: 戊寅、南府宰相耶律旺玖が致仕。癸未、孟父詳衮耶律慎思を中京留守とする。閏十二月癸卯朔、正旦の礼を予め行う。丙午、混同江に幸す。
大安五年(1089年)
- 正月: 癸未、魚児濼に幸す。甲午、高麗が使者を遣わし来貢。
- 三月: 癸酉、析津・大定二府に挙人を精選するよう詔し、学者に経を窮め道を明らかにすべきことを諭す。
- 夏四月: 甲辰、奚六部大王事を知る尼格を本部大王とする。壬子、北山で狩猟。甲子、長雨により狩猟を罷める。
- 五月: 丁亥、斉老嶺に駐蹕。己丑、凖布磨古斯を諸部長とする。癸巳、回鶻が使者を遣わし良馬を貢する。己亥、同知南院枢密使事耶律納延に右伊勒希巴事を知させ、左祗候郎君班詳衮耶律聶哷に北院大王事を知させる。
- 六月: 甲寅、夏国が使者を遣わし冊封を謝す。壬戌、参知政事王言敷を枢密副使とし、前枢密副使賈士勲を参知政事兼同知枢密院事とする。
- 秋七月: 庚午、沙嶺で狩猟。
- 九月: 辛卯、使者を遣わし宋に鹿脯を遺る。壬辰、藕絲淀に駐蹕。
- 冬十月: 乙巳、新定の法令が煩雑すぎるため旧法を復す。庚申、遼興軍節度使哈噶を伊実大王とする。
- 十一月: 丁卯朔、燕国王延禧に子が生まれ、大赦し妃の族属に爵を進める。
大安六年(1090年)
- 正月: 混同江に幸す。
- 二月: 辛丑、双山に駐蹕。
- 三月: 辛未、女直国が来貢。
- 夏四月: 丁酉、東北路統軍司に掌法官を設ける。庚子、同知南院枢密使事耶律托多に左伊勒希巴事を知させる。
- 五月: 壬辰、散水原に駐蹕。
- 六月: 甲寅、使者を遣わし五京の囚を決する。
- 秋七月: 丙子、黒嶺に幸す。
- 冬十月: 丁酉、藕絲淀に駐蹕。
- 十一月: 壬戌、高麗が使者を遣わし来貢。己巳、南府宰相竇景庸を武定軍節度使とする。是年、進士文充ら七十二人を放つ。
大安七年(1091年)
- 正月: 壬戌、混同江に幸す。
- 二月: 己亥、魚児濼に駐蹕。壬寅、渭州の貧民に耕牛・布絹を給するよう詔する。
- 三月: 丙戌、黒竜江に駐蹕。
- 夏四月: 丙辰、漢人行宮副部署耶律古雲に伊実大王事を知させる。
- 五月: 己未朔、日食あり。
- 六月: 甲午、斉老嶺に駐蹕。己亥、倒塌嶺の人が古鼎を進め、「万歳永為宝用」の文がある。辛丑、回鶻が使者を遣わし方物を貢する。癸卯、権知東京留守蕭托輝を契丹行宮都部署とする。丁未、端拱殿門が火災。
- 秋七月: 戊午朔、回鶻が使者を遣わし来貢。異物は受納せず厚く賜って遣わす。
- 八月: 庚寅、長雨により狩猟を罷める。壬寅、慶州に幸し慶陵に謁する。
- 九月: 丙申、上京に還る。己亥、日本国が鄭元・鄭心および僧応範ら二十八人を遣わし来貢。
- 冬十月: 辛巳、燕国王延禧を天下兵馬大元帥とし北南院枢密使事を総べさせる。
- 十一月: 庚子、藕絲淀に幸す。甲子、木葉山を望祀する。
大安八年(1092年)
- 正月: 乙酉、山榆淀に幸す。乙未、凖布の諸長が来降。
- 三月: 己亥、図埓実淀に駐蹕。丁未、中京・蔚州の役徒を曲赦する。
- 夏四月: 乙卯、凖布が来貢。丁丑、西山で狩猟し、提克徳酋長呼喇済が来附する。
- 五月: 甲辰、斉老嶺に駐蹕。
- 六月: 乙丑、夏国が宋の侵攻を受け援を乞う使者を遣わす。
- 秋七月: 丁亥、沙嶺で狩猟。
- 九月: 乙巳、藕絲淀に駐蹕。丁未、日本国が使者を遣わし来貢。
- 冬十月: 庚戌朔、使者を遣わし宋に鹿脯を遺る。丙辰、西北路の饑を振済する。辛酉、凖布磨古斯が金吾特古斯を殺し叛いたので、奚六部図哩・耶律果桑を遣わし諸部の兵を発して討たせる。壬申、南府宰相王荆が薨ずる。戊寅、左伊勒希巴耶律聶哷を彰聖軍節度使とする。
- 十一月: 戊子、枢密副使王是敦に枢密院事を兼知させ、権参知政事韓資譲を参知政事とし、漢人行宮都部署奚和勒博に奚六部大王事を知させる。丁酉、通州の潦水が稼を害するため使者を遣わし振済する。戊申、北院大王赫嚕が薨ずる。是年、進士冠尊文ら五十三人を放つ。
大安九年(1093年)
- 正月: 庚辰、混同江に幸す。
- 二月: 磨古斯が来侵する。
- 三月: 西北路招討使耶律和囉木薩噶が磨古斯を追撃して還る。都監蕭章吉特が賊に遇い戦って利あらず、二室韋伊喇北王府特們羣牧の宮分等の軍が多く陥没する。
- 夏四月: 興中府に甘露が降り、使者を遣わし仏を祠り僧に飯する。癸酉、西山で狩猟。
- 六月: 丁未朔、散水原に駐蹕。庚申、遼興軍節度使栄格を南院大王とし、左伊勒希巴事を知る耶律托多を左伊勒希巴とする。
- 秋七月: 黒嶺に幸す。壬寅、使者を遣わし高麗に羊を賜う。
- 九月: 癸卯、西北路の貧民を振済する。
- 冬十月: 庚戌、有司が「磨古斯が西北路招討使耶律托卜嘉のもとに偽って降り、乗虚して来襲し托卜嘉が死んだ」と奏する。凖卜烏庫哩が叛き、逹勒逹・博索摩が共に倒塌嶺を寇する。壬子、使者を遣わし諸路の兵を籍する。癸丑、南院大王特黙に南京留守事を同知させ、鄭嘉努に兵を率いて倒塌嶺を援けさせる。甲寅、藕絲淀に駐蹕、左伊勒希巴耶律托多・囲場都管薩巴をともに西北路行軍都監とする。乙卯、馬三千を烏爾古部に給するよう詔する。丙辰、凖布長希逹が西路の羣牧を掠める。丁巳、西北路の貧民を振済する。己未、燕国王延禧に子が生まれ肆赦し妃の族属に進級させる。壬戌、枢密直学士趙廷睦を参知政事同知南院枢密使事とする。癸亥、烏爾古徳哷勒統軍使蕭休格が凖布等部を討ち勝利を奏する。甲子、宋が使者を遣わしその母后曹氏の哀を告げ、直ちに使者を遣わし弔祭する。己巳、水旱に備えて広く積貯するよう詔する。
- 十一月: 辛巳、特黙らが凖布を討ち勝利を奏する。
- 十二月: 丙辰、宋が使者を遣わし母后の遺留物を饋る。
大安十年(1094年)
- 正月: 春水に幸す。癸未、提克徳が来貢。戊子、烏爾古等が来降し、逹勒逹・博索摩等が来侵する。四捷軍都監特黙が戦死する。
- 二月: 甲辰、凖布を破った功により有功者を賞する。丙午、西南面招討司が博索摩討伐の勝利を奏する。癸丑、巴雅爾布琳・通古・和克布格等が来降し、逹勒逹が来侵する。
- 三月: 壬申朔、日食あり。山北路副部署蕭阿嚕岱が逹勒逹討伐の勝利を奏する。
- 夏四月: 壬寅朔、提克徳・敏逹・蘇魯克都等が来附し、旧地を復すよう詔する。甲辰、春州北平淀に駐蹕。丙午、烏爾古部節度使耶律辰嘉努が察察哩討伐の勝利を奏する。庚戌、知北院枢密使事耶律額特埓を都統、伊勒希巴耶律托多を副統・龍虎衛上将軍とし、耶律呼哩を都監として磨古斯を討たせ、積慶宮使蕭扎里を遣わし監戦させる。辛亥、休格が伯哩八部の来侵を撃破したと奏する。己巳、玉田・蜜雲の流民の租賦を一年除く。
- 閏月: 庚子、西北路の貧民に銭を賜い、逹勒逹・博索摩二部が来降する。
- 五月: 甲辰、斉老嶺に駐蹕。甲寅、馬を括する。戊午、西北路招討司が徳哷勒等部の来侵に統軍司の兵が戦って利あらず、招討司の兵がこれを撃破したと奏し、敦睦宮太師耶律愛努とその子が死す。辛酉、国舅詳衮事を知る蕭阿里に西北路行軍事を同領させる。
- 六月: 辛未、宋が使者を遣わし弔祭を謝す。乙酉、烏爾古徳哷勒統軍使休格が罪により除名される。丙戌、和囉噶等部が来聘し、提克徳が来貢。己亥、辺民と蕃部との婚姻を禁ずる。是夏、高麗国王運が薨じ子の昱が使者を遣わし来告、直ちに使者を遣わし賻贈する。
- 秋七月: 庚子朔、赤山で狩猟。是月、凖布等が倒塌嶺を寇し西路の羣牧の馬を尽く掠め去るが、東北路統軍使耶律実岱が兵を率いて追い掠めた物を尽く取り戻す。
- 九月: 己未、南院大王特黙を南院枢密使とする。甲子、徳哷勒の諸酋が来降しその罪を釈す。是月、額特埓が磨古斯を破る。
- 冬十月: 丙子、藕絲淀に駐蹕。壬午、山北路副部署蕭阿嚕岱が逹勒逹討伐の功により左金吾衛上将軍を加える。癸巳、西北路統軍司が凖布長碩博・和富魯等を獲て献ずる。
- 十一月: 乙巳、提克徳・通古・凖布廸里等が来降し、逹勒逹・博索摩等が再び来侵、山北副部署阿嚕岱がこれを撃破する。
- 十二月: 癸酉、三河県民孫賔とその妻がともに百歳、その家の課役を免ずる。甲戌、参知政事趙廷睦に枢密院事を兼知させ、枢密副使王師儒を参知政事兼同知枢密院事とする。己卯、西北路の功ある将士および戦没者に贈官するよう詔する。乙酉、来年を改元し、雑犯死罪以下を減じ貧民の租賦を除くよう詔する。戊子、西北路統軍司が磨古斯討伐の勝利を奏する。