六韜烏雲澤兵

  • 要旨: 太公望は水辺で貧弱な兵力の軍が糧食も乏しい状況では欺いて速やかに退くべきだとし、敵に見抜かれた場合は伏兵と烏雲の陣を用いて水を渡ってくる敵を挟撃する術を説く。

水辺での窮地

  • 武王が、諸侯の地に深く入り水を挟んで敵と対峙し、敵は富み多く我は貧しく少なく、水を越えて撃てば前進できず、日を長引かせれば糧食が乏しい、しかも塩地で邑もなく草木もなく掠取のしようもない場合の対処を問う。
  • 太公望は、三軍に備えもなく士卒に糧もなく牛馬に食もない場合は、便宜をはかり敵を欺いて速やかに立ち去り、後方に伏兵を設けるべきだとする。

敵に見抜かれた場合

  • 武王が、敵を欺くことができず士卒が迷い、敵に前後を越えられ三軍が敗走する場合の対処を問う。
  • 太公望は、衝陣に分けて兵の便利な所に配し、敵が全て出てくるのを待って伏兵を発し疾くその後方を撃ち、強弩を両脇に置いて左右を射させ、車騎は烏雲の陣に分けて前後に備え、三軍が疾く戦うべきだとする。
  • 敵はこちらが戦い合うのを見れば、必ず大軍で水を渡ってくるので、そこで伏兵を発して疾くその後方を撃ち、車騎でその左右を衝けば、敵が多数であってもその将は走ると結ぶ。

烏雲の陣の要諦

  • 用兵の大要は、敵に臨んで戦うときには必ず衝陣を置いて兵に便利な場所に配し、その上で車騎を烏雲の陣に分ける、これが用兵の奇であるとする。
  • 「烏雲」とは、烏のように散り雲のように合し、変化窮まりないことを言うと結ぶ。武王はこれに「善哉」と応じる。