六韜絕道

  • 要旨: 太公望は敵地深くで糧道を断たれ前後を挟まれる窮地を避けるには、進軍前に地の形勢を見極め要害に拠ることが肝要とし、さらに遠くの物見と後詰の踵軍を配して不意打ちに備える方策を説く。

糧道を絶たれる懸念への備え

  • 武王が、諸侯の地に深く入り敵と対峙する中、糧道を断たれ前後を越えられ、戦えば勝てず守れば持久できない場合の対処を問う。
  • 太公望は、敵地深くに入るときは必ず地の形勢を察し、便利な地を求め、山林・険阻・水泉・林木に依って堅固にし、関梁を謹んで守り、城邑・丘墓の地形の利を知っておくべきだとする。こうすれば我が軍は堅固になり、敵は糧道を断つことも前後を越えることもできなくなるとする。

平地で不意に遭遇した場合

  • 武王が、大林・広沢・平易の地を通過中に手違いで急に敵と衝突し、戦えば勝てず守れば固まらず、敵に両脇・前後を囲まれ三軍が大いに恐れる場合の対処を問う。
  • 太公望は、軍を率いる法として常に遠くの物見を先に発し、敵から二百里の所でその所在を審らかに知るべきだとする。
  • 地の勢いが不利であれば武衝を塁として前進し、後方には遠くは百里・近くは五十里の所に二つの踵軍(後詰)を置くべきだとする。こうすれば急な事態があっても前後で互いに知らせ合え、三軍は常に完全堅固で損なわれることがないとする。武王はこれに「善哉」と応じる。