六韜略地

  • 要旨: 太公望は大城を攻めきれず別動隊に挟撃される懸念に対し、内外の連絡を絶ち兵糧攻めにする策と、脱出路をあえて残して敵の精鋭を誘い出す策を説き、最後に降伏後の仁政の重要性を説く。

兵糧攻めの基本

  • 武王が、戦に勝って敵地に深入りしたが大城が落とせず、別軍が険阻に拠って対峙し、中外呼応して挟撃されることを恐れる場合の対処を問う。
  • 太公望は、攻城・囲邑には車騎を遠くに配し屯衛して警戒し、内外の連絡を阻むべきだとする。城中は糧を絶たれ外から補給できなくなれば、城中の人は恐怖し将は必ず降ると答える。

敵が死力を尽くして出撃してくる場合

  • 武王が、城中が糧を絶たれ外から補給できず、密かに誓いを結んで謀り、夜に窮寇となって死戦を挑み、車騎精鋭が内外から撃ってくる場合の対処を問う。
  • 太公望は、三軍を三つに分け地形をよく見極めて配置し、敵の別軍の所在や大城・別堡を審らかに知った上で、あえて欠けた道(脱出路)を残して敵の心を誘い、備えを怠らないようにすべきだとする。
  • 敵が恐れて山林に入らず大邑に帰ろうとすれば、その別軍を走らせ、車騎を遠くに配して前を要し、逃さないようにする。
  • 城中の者が先に出た者が道を得たと思えば、練達の兵・材士が必ず出て、老弱だけが残る。
  • 車騎を深く長駆させれば、敵軍は敢えて来られなくなり、慎んで戦わず糧道を絶って囲んで守り、日数をかけて長く持久すべきだとする。

降伏後の仁政

  • 人の蓄積を焼かず、人の宮室を毀たず、冢樹・社叢を伐らないようにする。
  • 降った者は殺さず、捕えた者は戮さず、仁義を示し厚い徳を施す。
  • 士民に対しては「罪は一人(首謀者)にある」と告げるべきだとし、こうすれば天下は和して服すると結ぶ。武王はこれに「善哉」と応じる。