六韜陰符

  • 要旨: 太公望は、軍が遠く諸侯の地に深入りした際に君主と将の間で秘密裏に情報を伝える手段として、長さの異なる八種の割符「陰符」の制度を説く。

遠隔連絡の必要性

  • 武王は、軍を率いて諸侯の地に深く入り、三軍に急な事態が生じて利にも害にもなりうるとき、近くから遠くへ、内から外へ通じさせ三軍の需要を満たすにはどうすべきかを問う。
  • 太公望は、君主と将の間に「陰符」という秘密の割符を設けるべきだと答える。

陰符八等

  • 大勝して敵に克つ符は長さ一尺。
  • 軍を破り将を擒える符は長さ九寸。
  • 城を降し邑を得る符は長さ八寸。
  • 敵を退け遠くに報せる符は長さ七寸。
  • 衆に警めて堅守させる符は長さ六寸。
  • 糧を請い兵を増す符は長さ五寸。
  • 軍が敗れ将を失う符は長さ四寸。
  • 利を失い士を失う符は長さ三寸。

運用の要点

  • 使者にこの符を持たせて事を行わせ、稽留させたり符の事が漏れ聞こえたりした場合は、告げた者を皆誅すべきだとする。
  • この八符は君主と将のみが秘かに知るもので、内外が通じ合う術を漏らさぬためのものであり、敵がいかに聖智であってもこれを見破ることはできないとする。武王はこれに「善哉」と応じる。