六韜國務

  • 要旨: 太公望は国家統治の要諦は「民を愛すること」に尽きるとし、利害・成敗・生殺・与奪・楽苦・喜怒の六つの観点から具体策を説く。

愛民の原則

  • 文王が国を治める要務、主を尊く人を安んじる方法を問うと、太公望は「愛民のみ」と答える。
  • 民に利をもたらして害さず、事を成し遂げさせて敗らせず、生かして殺さず、与えて奪わず、楽しませて苦しめず、喜ばせて怒らせないことを説く。

具体策

  • 民が生業を失わなければそれが利となり、農時を妨げなければ事が成る。
  • 刑罰を省けば民は生き、賦斂を薄くすれば民に与えることになる。
  • 宮室・台榭を質素にすれば民は楽しみ、官吏が清廉で苛虐しなければ民は喜ぶ。
  • 逆に、生業を奪い、農時を妨げ、無実の罪で罰し、重税を課し、土木で民力を疲弊させ、官吏が苛烈であれば、民は害され怒りを覚える。

為政者の心得

  • 善く国を治める者は、父母が子を愛し、兄が弟を愛するように民を治める。
  • 民の飢寒・労苦を我がことのように憂い悲しみ、賞罰や賦斂は自分の身に置き換えて行うべきだと説く。