民國演義第六十九回 独立を偽り屈映光巧を弄び、旧友を売り蔡乃煌刑を受く (偽獨立屈映光弄巧 賣舊友蔡乃煌受刑)

徐勤、九死に一生を得て脱出

  • 徐勤は銃弾がかすめただけで倒れて死んだふりをし、警察の制服に着替えて海珠署を脱出、船で香港へ逃れる。翌日、殺害されたのが湯覚頓・王広齢(学衡の兄弟)・呂清らであったと判明する。

陸・梁の詰責と龍済光の弁明

  • 陸栄廷・梁啓超は激怒し龍済光討伐を決めかけるが、張鳴岐が来訪して弁明し、蔡乃煌・顔啓漢の独断による凶行だと主張する。
  • 陸は改めて六条件(蔡乃煌・顔啓漢の引き渡し、警衛軍の分駐、軍紀粛正、会談場所の指定、龍軍の半数を護国軍に編入、東園の明け渡し)を提示、龍側は張鳴岐に一任すると回答、四款の善後策(海珠事件の調査、陸・梁の広東入り、護国軍の一時停止、治安維持)で合意する。

浙江の独立騒動

  • 広東の動きが浙江にも波及する。浙江将軍・朱瑞と巡按使・屈映光は中央に増援を要請しつつ、革命派とみなす旅長・童保暄の部隊を城外に移す。
  • 童保暄は朱瑞の陰謀を察知し、先手を打って4月11日夜に挙兵、将軍署を急襲するが朱瑞は塀を乗り越えて脱出、参謀長・師長らも逃げ去っており署内は無人だった。
  • 巡按使屈映光は独立に賛成する姿勢を見せ、童保暄に都督就任を勧められるが辞退し、屈自身が「巡按使兼浙軍総司令」を名乗ることで決着する(「独立」の語は避けた曖昧な布告であった)。
  • 屈は北京へ密奏し事情を弁明するが、袁政府はこれを表沙汰にする申令を発して屈を賞賛、結果的に屈の二枚舌が露見し、寧台鎮守使・周鳳岐らから激しく非難される。屈は狼狽して失態(招宴への返答を書き誤る一幕)を演じつつ、最終的に浙江参議会の求めに応じ、広東の龍済光独立・北伐表明の報を受けて正式に「都督」を名乗り独立を宣言する。

広東:龍済光の履行と蔡乃煌の処刑

  • 龍済光は陸栄廷への約束履行を渋る(顔啓漢は逃亡、蔡乃煌は旧友ゆえ庇う)。陸・梁は肇慶まで軍を進めて圧迫し、最終的に五款(龍を名目上の都督に留任させる、肇慶に両広総司令部を置き岑春煊を総司令に、蔡乃煌を死刑に、北伐を即時実行、防衛境界の画定)で合意する。
  • 龍済光は帰城後、譚学衡に命じて蔡乃煌を拘束・連行させ、長堤で銃殺に処す。蔡は龍の裏切りを恨みつつ死に、新妻となったばかりの愛妾が遺体を悼む。

評語

本回は広東の事件を主軸に、浙江の事件を付随させて描く。龍済光と屈映光の振る舞いが酷似する点(「粤・浙二光」)を指摘し、朱瑞と屈映光、龍済光と蔡乃煌がいずれも旧友でありながら、保身のために友を裏切った点を、近代人の私利私欲・見利忘義の風潮を象徴する事例として批判している。